魔人‐ファウスト‐part1/災いを呼ぶ少女
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ってくれなきゃいやだと駄々をこねてきたので仕方なく連れて行くことにした。この時ルイズからサイトは、彼女が謎の編み物をもらったのだが、ルイズ曰くセーターだという。ルイズが泣きだすだろうからしょうがなく来てみたのだが、胸のあたりまでしか隠しきれてない上に袖のない、そもそもセーターどころか服と言うべきものとは言い難いものだった。…動きにくいのですぐに着替えた。
しかし、ここで問題が発生した。ラグドリアン湖付近の村が、謎の水没を引き起こしていたのだ。
「どうなってんだ?」
水かさが増した影響で沈んでしまった村を見下ろしながらサイトはモンモランシーに尋ねる。
「私たちモンモランシ家は王家と水の精霊の古い盟約の下その交渉役を務めてきたの。私も子供の頃父上とここへ来たことがあったわ。でも、村を沈めるなんてことはなかった。きっと水の精霊は怒ってるみたいね…」
ふと、モンモランシーの肩に一匹の黄色い蛙が乗ってきた。
「なんだ、その蛙?なんか毒もってそうだな…」
色合いからして毒々しくも見える。
「失礼ね!この子はロビン、私の使い魔よ」
証拠なのか、ロビンと呼ばれたその蛙の額には、彼女との契約の証であろう使い魔のルーンが確かに刻み込まれている。と、ルイズはロビンを見た途端サイトにガシッと捕まってきた。
「い、いやあああ!!!蛙!!蛙…!!」
サイトの胸の中に顔を埋め、絶対に見たくないと悲鳴を上げるルイズに、サイトはオロオロする。
「お、落ち着けって!あれはモンモンの使い魔だから大丈夫だよ!!」
何とかなだめようとするが、ルイズはサイトからなかなか離れてくれない。実は彼女、蛙が大嫌いなのである。
「失礼な子ね、いくら嫌いな動物だからって人の大切な使い魔を化け物みたいに…」
蛙とはいえ、モンモランシーはロビンを気に入っているからこんなふうに悪く思われるとあまり気持ちがいいものではない。彼女はロビンを湖畔に下ろし、針で自分の指先を軽く刺して一滴の血を出し、ロビンの頭に乗せる。
「いいことロビン。古い友達と連絡を取りたいの。私が付けたその血で、私のことがわかるはず。あなたの盟約者が来たと、水の精霊に伝えてちょうだい」
主からの命令を受け、ロビンは水の中へ飛び込んでいった。
「これでもう少し待てば、ロビンが連れてきてくれるはずよ。私の血を覚えていてくれたら、の話だけどね」
「来てくれるだろうか…?」
ギーシュがサイトに言うが、「さあね」とサイトは呟いた。
…しかし、意外と早くロビンは戻ってきた。同時に、ルイズはヒシッっとサイトにしがみつく。
「どう、水の精霊は連れてきた?」
モンモランシーがロビンに尋ねるが、ロビンは意外なことに首を横に振ってきた。
「もう私のことなんて覚えてないのかしら?」
「そんな!じゃあルイズはどうなるんだよ
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