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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第53話 聖王器パールバティ
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「本当ですか!?」

顔を上げ大悟達を見たカリム。その目は赤く少々腫れぼったい。

「佐藤加奈さん、お願いです!!バルトを助けて!!」
「えっ!?」

いきなり初めて会う人にそんな事を言われ驚く加奈。

「だってバルトさんはなのはと一緒に病院へ………」
「加奈、バルトマンだよ」

そう大悟に言われて以前にバルトから聞いた過去の話を思い出した。
それと同時に台の上で治療を受けている人物を見る。

「バルトマン………」

小さく、弱々しく呼吸するバルトマン。顔色も悪く死の淵にいることは加奈でも分かった。

「無理よ、こんな状態だと私でも………」
「分かってる、だけど加奈の力が必要なんだ」

加奈の言葉を遮り、大悟が言う。

「だけど私じゃ………」

そんな加奈にシャッハは部屋の奥に安置されていた細長い木の箱を持って来た。

「これは?」
「開けてください………」

手渡され、加奈は指示通り箱を開ける。

「綺麗………」

中には一本の杖があった。豪華な装飾も無く、普通の杖のデバイスと遜色ない作りとなっている。
しかしそんな何の変哲もない杖が加奈にはとても綺麗で、何か特別な物にに見えた。

「やはり………」
「?どういう事です?」
「この杖を見て、そう反応出来る事こそ、この杖に選ばれる素質があると言っている様に思えたので………」
「杖に選ばれる?」
「そう、聖王器パールバティに」
「聖王器!?それって………」
「ああ、管理局にあったジルディスと同じ様に聖王教会にも聖王器があったんだ。そしてその聖王器は聖僧女と呼ばれたリアレスの杖でもあるんだ」
「???」

大悟に説明されても歴史を詳しく知っている訳では無い加奈は説明されても何が何だか分からなかった。

「そしてその杖はどんな傷でも癒せる聖なる加護があると言われてきました。………ですが、今までその杖を使えた者は誰も………でもきっと加奈さんなら!!」

そうシャッハが話した後、カリムが加奈の手を掴み、頭を下げた。

「お願い………!!」

縋るように頼み込むカリム。

「そんなに頭を下げなくたって協力しますって!!私そんなに性格悪く見えますか!?」
「まあ性格は悪くないけど結構キツ…あだっ!?」

横から拳が飛んできて頬に喰らう大悟。

「私の力が及ぶか分からないけど………やるわよ、パールバ………あなた長いからパティね!!」
「ちょ!?加奈、勝手に………」

と頬を抑えながら突っ込む大悟だったが、その言葉とは裏腹に、パールバティは加奈の言葉に反応し部屋一帯を眩しい光で包む。

「何!?」
「これが聖王器!!」

混乱と驚きに思わず声を上げるシャッハとカリム。

「加奈!!」
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