35話
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35話
午後1時の15分前に俺はポロニアンモールの噴水前に来た。
まだ長谷川さんは来ていないようだった。
デートではないのだから、5分前でもよかったのだが流石にそれで向こうに先に来られるとなんかきまづい。
俺の今日の服装は特に目立つようなことはなく、黒のジーパンの上に白の長袖のTシャツ、そしてその上にグレーのパーカーを着ている。
センス抜群のファッションとはお世辞にも言えない服装だ。
まぁ、モノクロよりはマシだろう。
白と黒だけの組み合わせ、もしくは黒のみが許されるのは中学生までだ。
前に一回、クラスメイトの女子とかと遊んだ時に、
『彩君って、私服は普通なんだね』
とか言われた時は地味に凹んだ。
だからといってファッションにイマイチ拘りはない。
先輩に服を選んでもらうことも考えたが、思いついて2秒で却下した。
流石にあの人とデートらしきものをする勇気はない。
どうも先輩関係になると、勇気6では足りないのではないかと思う。
話は元に戻るが、パーカーを女子と遊ぶときに着てくる男子高校生というのはどうなんだろうか。
軽い格好をしてくると相手に、自分はその程度なのか、なんて思われるなんて前世で聞いたことがある。
まぁ、正直魅力が5ある俺にはファッションなんてあまり関係がないんだけど。
でもだ、例えばここにイケメンがいたとしよう。
元の顔のレベルが6。
イケメンだからそれなりに遊びなれている。
ファッション6。
ただし、魅力に関してはそこそこ。
魅力3。
結果としてそのイケメンは15。
俺の場合は、ほどほどの顔。
顔のレベル4。
ファッションセンスは微妙。
ファッション3。
しかし魅力だけは高い。
魅力5。
結果、俺は12。
ふむ、割と差がつくものだ。
まぁ、今のところそんなイケメンはまだ出てきていないから問題はない。
というより、この『ペルソナ』の世界では魅力だけが問題なのだ。
別にそこまでファッションセンスも、元の顔も必要ないのだ!
つまるところ、今の俺でも全然モテるは
「あ、彩君」
「長谷川さん」
ニコリと笑って、こちらを見つけた長谷川さんに挨拶代わりに手を挙げる。
やはり女の子の私服姿はイイ。
長谷川さんは白色を基調としたワンピース型の服を着ている。
長谷川さんが着るといかにもお嬢様といった感じだ。
「こ、こんにちは・・・」
んぉ?
あれ?マジか。
「初めまして、かな?俺は琉峰彩。ヨロシクね」
「わ、私は、山岸風花っていいます。ヨロシクおねがいします
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