これがオレの雷だ!!
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たオレは散っていく。アウル・ダンタリオンの視線の先に居る本体(・・)の莫大な魔力を感じながら。
媒介である髪の毛に戻っていくオレと黒歌達の式髪を眺めながら、隠れて練り上げた魔力を解放する。
「これでトドメだ!!我らが怒りを喰らい高まれ!!ジガディラス・シン・ザケルガ!!」
本家のジガディラス・ウル・ザケルガよりも巨大で、魔力のチャージ量を示す雷のマークが入った宝玉の数も倍になった大砲を抱えた女神がオレ達の目の前に現れる。オレが普段は押さえている魔力と死体を弄んだ怒りを喰らい、急速にチャージが終わる。
「なぎ払え!!」
オレの一言でジガディラスが己の内に溜め込んだ魔力を雷に変え、雷はプラズマへと変化して打ち出される。ジガディラスから打ち出されたプラズマは電気を通さない鉱石を融解させて蒸発させる。そしてそのままアウル・ダンタリオンを飲み込み、アウル・ダンタリオンが張った結界と、その先にあるレーティングゲームのフィールドを形成する結界すらも貫く。
アウル・ダンタリオンが死んだことでまさしく糸の切れた人形のように動かなくなった黒歌達の両親を新たに生み出した式髪に抱えさせる。
「黒歌、白音、お父さん達をゆっくりと寝かせてあげような」
慌ててやってきたサーゼクスの眷属を無視して拠点へと転移する。それから知り合いに連絡を入れて葬儀に使う物をその日の内に集め、黒歌達の両親の体を清めて最後の別れを二人にさせる。
翌日、棺桶に二人をおさめてから、退魔師に教えてもらった陣を敷く。骨すら残さずに燃やし尽くして悪用されないようにする為の物だ。その陣の上に棺桶を降ろす。後は陣に魔力を通せばすべてが燃え尽きる。
「黒歌、白音。二人で逝かせてやれ」
喪服を着て、先ほどまで大泣きをしていた二人を陣の方に押してやる。
「……白音」
「……うん」
5分程立ち止まった後、二人は一緒に陣に魔力を送り込み、陣がその効力を発動させる。燃え尽きていく棺桶を見届け、すべてが終わった後、二人はまた泣き出した。オレは二人を抱きしめる。二人もオレに強く抱きついてくる。
なぜ、こんなに幼い子供達に酷い現実が突きつけられるんだろうな。こんな世界、オレは嫌いだ。探せば他にもオレ達の様な子供が居るんだろうな。そいつらとなら、この感情を共有できるんだろうな。
探そう。オレ達の同類を。そして、力を貸し合おう。少しでもまともな未来にたどり着く為に。そうしよう。
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