第十幕その六
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「あの人が行ったんだよ」
「そうですか、じゃああの国にはですね」
「僕達は行かないんですね」
「次の機会にね」
モジャボロは笑顔で五人に言いました。
「行こうね」
「あの国に行くのも楽しみですね」
「どんな国なのか」
「そうね」
ナターシャもジョージと神宝の言葉に応えます。
「この目で見てみたいわね」
「本で読んでいることはあくまで本で読んだだけだよ」
モジャボロはここでこうしたことをです、五人に言いました。
「その目で見ることは読むことよりも大きいんだよ」
「そうですね、一見は大きいですね」
「ええと、日本の諺だったかな」
モジャボロは恵梨香も見て言いました。
「百聞は一見に然ず」
「はい、日本の諺です」
その通りだとです、恵梨香もモジャボロに答えます。
「やっぱり見ることは大きいです」
「そうだね」
「ですから」
それでだというのです、恵梨香も。
「ジンクスランドも」
「次の機会にだね」
「行きたいです」
「是非」
五人は笑顔で答えました。
「あの国に」
「そうしたいです」
「君達は何時でもオズの国に来られるからね」
モジャボロは五人にこのことを保障しました、五人は学園の時計塔のところからオズの国に自由に行き来できます。
「だからジンクスランドにもね」
「行ってですね」
「そしてあの国でも」
「楽しんでくれると嬉しいよ」
ジンクスランドもまたオズの国だからです、そのことは是非にというのです。
そうしたことをお話してでした、モジャボロはこうしたことも言いました。
「ところで君達に聞きたいけれど」
「私達にですか?」
「一体何を」
「夏はどうしているのかな」
オズの国にはないこの季節のことを尋ねるのでした。
「冬は」
「夏は涼しく冬は暖かく」
「そうしています」
「そうだね、オズの国には季節がないからね」
ずっと春です、オズの国は常春の国なのです。だからモジャボロは五人にそれぞれ夏や冬はどうしているのかを聞いたのです。
「僕もね、アメリカにいた時は季節を感じていたけれど」
「オズの国ではですか」
「そうしたことは」
「うん、ないよ」
暑さ寒さに備えることはというのです。
「一年中この服だしね」
「夏も冬もないから」
「だからですね」
「涼しい格好も厚い格好もですか」
「どっちも」
「ないよ」
「私もね。ずっと同じ様な服よ」
このことはドロシーもでした。
「春の服よ」
「ドロシーさんはドレスですよね、王宮では」
「そして旅の時は今みたいな格好で」
五人はドロシーの服も見てお話しました。
「そうですね」
「ドロシーさんも」
「ええ、そうよ」
ドロシーは自分の服をひらひらとさせながら笑顔で五人に答
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