第十幕その二
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「だからね」
「この子達は悪い子達じゃない」
「そうだね」
「ええ、そうよ」
ガーゴイル達にこのことも言いました。
「だから安心してね」
「まあわし等もな」
「そうそう、最初は悪い連中だったし
「排他的で凶暴で」
「いい連中じゃなかったよな」
ガーゴイル達は自分達のことも振り返りました。かつてはこの人達はお世辞にもいい人達と言えなかったのです。
「ノーム王に利用されかねない位に」
「悪い連中だったよ」
「そこまではいかなかったけれど」
このことはドロシーが見たところです。
「けれど怖かった」
「御免ね、あの時は」
「反省しているよ」
「いいわ、もう終わったことだから」
過去のことを気にするドロシーではありません、ましてやガーゴイルの人達も今では彼女のお友達なのですから。
「だからね」
「それでよね」
「これからは」
「そう、いいわ」
こう言うのでした、とても広い心で。
「それでだけれど」
「それで?」
「それでとは?」
「今日私達が貴方達のところに来た理由はね」
ドロシーはガーゴイルの人達にこの理由をお話しました。
「いいかしら」
「うん、何かな」
「ここに来た理由は」
「そう、オズマがエメラルドの都でパーティーを開くから」
このことをお話するのでした。
「だからね」
「わし等をなんだ」
「招いてくれるんだ」
「ガーゴイルさん達の王様はいるかしら」
その人はというのです。
「ここに」
「ああ、いるよ」
「ちゃんとね」
「そう、いるよ」
ガーゴイル達はすぐに答えました。
「じゃあ今から呼ぶよ」
「そうさせてもらうよ」
「ええ、お願いするわ」
こう言ってでした、ガーゴイル達はといいますと。
すぐにガーゴイルの王様が呼ばれました、王様はこう言ってきました。
「私をオズマ姫のパーティーに呼んでくれるって?」
「ええ、そうよ」
ドロシーはにこりと笑ってガーゴイルの王様に答えました。
「招待状も持っているわ」
「じゃあその招待状を受け取れば」
「オズマのパーティーに行けるわ」
「夢みたいな話だな」
「夢じゃないわよ」
ドロシーはにこりと笑って王様にまた答えました。
そうしてです、懐から招待状を出して王様にそれを差し出したのでした。
「ほら、これね」
「これがパーティーへの招待状だね」
「ええ、そうよ」
「ううん、まだ信じられないけれど」
「それじゃあ頬っぺた抓ってみる?」
「ははは、私達の頬っぺたを抓ってもね」
そうしてもだとです、王様はドロシーの今の言葉には笑ってこう返しました。
「硬いだけだよ」
「木だからよね」
「そうだよ、だからね」
それでだというのです。
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