第129話 王允からの使者
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困る様子でございました」
揚羽は泉の話を聞くと顎に指をあて黙考した後、口を開いた。
「念のために劉幽州牧と公孫賛との間に亀裂を入れる手筈を早めましょう」
「揚羽殿の言われる通り劉幽州牧への工作は進めるべきかと。正宗様の董卓への対応に王司徒が納得できなければ、王司徒は劉幽州牧をお頼りになる可能性があります。董卓とて皇族の長老より取りなしを受けては武力にものを言わせるのは難しいかと存じます。王司徒であればそう考えましょう」
「そうだな」
正宗は視線を揚羽と冥琳、泉を順番に見た後、口を開いた。
「揚羽、私が荊州に下っている間、稟と風と協力して幽州の工作を頼めるか?」
「畏まりました」
「話は変わるが荊州へは誰を連れて行くかな? 冥琳と泉、それと榮菜(臧覇)は付いて来てもらう。後は桂花だな」
正宗は王允の話を終わりにし、荊州へ同卒する人員の話を始めた。冥琳と泉は正宗に拱手し返事した。
「麗羽殿も連れていかれてはどうでしょう」
「それはよろしゅうございます。是非に」
冥琳の提案に揚羽が相槌を打った。
「確かにいいかもしれないな。ならば猪々子と斗詩、鈴々にも同卒してもらうか」
「正宗様、朱里殿も連れていかれてはいかがでしょう?」
揚羽が提案してきた。正宗は彼女の提案を不思議そうな表情をするが直ぐに合点がいったようで笑みを浮かべた。
「揚羽、粋なはからないだな。しかし、朱里が清河国を留守にして大丈夫か?」
朱里の叔父である鉄心が美羽の元で使えているため揚羽が気をきかせたのだろう。
「雛里殿がいます。何も支障はございません」
揚羽は笑みを浮かべ答えた。
「これで荊州へ向う人員は決まりましたな。正宗様、兵はどのくらい連れて行きましょうか?」
冥琳は間髪いれず聞いて来た。
「董卓が襲撃する可能性は低いと思うが念のために三千連れて行く」
「荊州南陽郡は湿地帯ですので騎兵はものの役に立ちませんので、騎兵は少なめにしたほうがよろしいかと存じます」
「冥琳、騎兵は三百、残りは歩兵で頼む」
「畏まりました」
これより一週間後、正宗達は荊州へと向うことになる。まず、向うは予州潁川郡、桂花の故郷だ。
正宗はここで意外な人物と出会うことになる。
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