歓迎会
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したこちらも悪いし、それにこれ以上連れを怖がらせないでくれ」
「は、失礼しました。まことにお連れの方にはご迷惑を――申し訳ございません」
曹長が頭を下げて謝罪しながら、人を殺さんばかりの視線で背後の男達を射抜く。
その視線に慌てて背後の男達も、全力で謝罪をした。
申し訳ないと――すでに、禿頭の男の酔いも完全に醒めたようだ。
繰り返される謝罪の言葉に、それまで緊張していた装備企画課の面々も脱力したように身体を椅子に預けている。
ようやく自由になった店主が会計を席に運んだ。
確かに安い。
払おうとしたアレスを、慌てたようにリュナスが止めた。
「こちらの支払いが私が。迷惑料で……」
「いや。気にしなくても結構だ」
と、会計に書かれた金額よりも多く、アレスは机に置いた。
「騒々しくして悪かったな。迷惑料だ――これで後は楽しんでくれ」
そう言って、席を後にする。
男達は驚きをもって、彼らが帰るのを見送っていた。
どうすると視線をかわす中で、最後まで頭を下げていたリュナスが顔をあげた。
その表情は能面のように白い。
「お前ら……中尉は許してくれたが、俺は許さんぞ。明日の訓練は地獄の方が良かったと――そう思わせてやる。だから、今日は中尉の行為に甘えて、自由に飲め。最後の晩餐だと思え」
そう呟かれた言葉に、男達は喜んで良いのか嘆いて良いのか。
微妙な表情を見せて、結局酒をたらふく飲んだ。
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