暁 〜小説投稿サイト〜
東方魔法録〜Witches fell in love with him.
36 帰路〜By degrees her friendship grew into love.
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。
「俺、初めて血を飲んだから…加減が効かなくて」
「私が…初めて…」
「ん?何か言った?」
「何も」
アリスにはあの村で紅茶を飲んでいた時に暇だったから俺が吸血鬼になった経緯を話している。だから始めはいきなり噛みつかれてびっくりしたようだけど、俺が吸血鬼だと知っていたから抵抗しないで血をくれた。
「ごめん、いきなり噛みついて」
「いいのよ。友達だから当然でしょ?」
「そっか…ありがとう」
「……代わりといっては何だけど、もうちょっとこのままでいて」
貧血にした原因は俺だからアリスの言う通り、少しだけ寄り掛かられたままにした。
貧血が収まったアリスと別れて俺は超特急で紅魔館に帰った。が……
「うわっ!なんじゃこりゃ!」
死体死体死体死体。見渡す限り、人狼の死体がそこらへんに転がっていて、元々紅かった紅魔館は血の色でさらに紅くなっていた。
せっせと人狼の死体の片付けをしていた美鈴がいたから声をかけた。
「美鈴、何があったの?」
「あ!明希様!大変です!!」
そりゃあ、見ればわかる。こんなに人狼の死体があるのだから。
でも、美鈴の口からは予想の遥か上をいく言葉が発せられた。
「パチュリー様が拉致されました!!」
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