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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百三十二話 要塞攻略案
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題は解決可能だと考えているのかな、答えてくれ」
リッテンハイム侯が質問するとシャフトが僅かに姿勢を正した。
「解決は可能だと考えています」
「時間はどの程度かかる?」
「改修、試験運用に約三カ月を想定しています。もちろんこれは現時点においてです。新たな問題点が発見されればその分だけ時間は伸びます」

「統帥本部はどのように考えるか? シュタインホフ元帥」
アマーリエがシュタインホフに答えを促した。
「はっ。技術的な問題が解消されガイエスブルク要塞をイゼルローン回廊に運ぶ事が可能であるならば、同盟より提示されました作戦案を実行するべきかと考えます。実際問題としてそれ以上の攻略案を我々は持ちませぬ」
渋い表情だ、攻略案を提示されるなど屈辱でしかないのだろう。

「宇宙艦隊は如何思うか?」
アマーリエの問いが続く、オフレッサーが僅かに頭を下げた。
「宇宙艦隊も統帥本部と考えを同じく致します」
「では具体的にはどの攻略案を採るのか?」
「それにつきましてはミューゼル総参謀長よりお答えします」
オフレッサーの答えにミューゼルが頭を下げた。

「帝国の現状を考えますと出来れば戦う前に降伏させたいと思います。帝国軍同士での戦力の潰し合いは避けるべきでしょう」
ミューゼルの言葉に皆が頷いた。ふむ、以前はもっとぎらついた目をする男だったが少し変わったな。
「先ず第四案を使い反乱者達に降伏を促します。降伏しなかった場合は第一案から第三案のいずれかによってイゼルローン要塞を攻略する事になります」

「第三案は止めて貰いたい。イゼルローン要塞とガイエスブルク要塞を両方失うのは余りにも痛すぎる」
ゲルラッハが渋い表情で言った。
「財務省は国際協力都市イゼルローンに期待している。金銭的なものだけではない、イゼルローンから得られる利益は非常に大きいと見ているのだ。辺境星域も大きく発展するだろう。財務省はこれを機に積極的に辺境星域を開発するべきだと考えている」
財務省だけではない、わしもリッテンハイム侯も同じ考えを持っている。政府の公式見解と言って良い。

「軍務省も第三案は避けて貰いたいと思っている。ガイエスブルク要塞が動くのであればイゼルローン方面の要塞にも使える。そうなれば新たな要塞建設はフェザーン方面だけで済む。帝国の防衛体制は早期に完成するだろう。後はゆっくりと宇宙艦隊の編成を行えばよい。だが第三案を採れば先ずイゼルローン要塞の建設から始めねばならん」
エーレンベルクがゲルラッハに続いた。

同盟からは新たなイゼルローン要塞の建設には同盟も資金を出すと言っている、共同で建設しようと。正直有難くない申し出だ。そうなればイゼルローンから帝国が得られる利益は格段に減るだろう、うかうかとは乗れない。しかし断れば帝国の防衛体制に遅
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