よかった、君がいてくれて
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する姉さんって気もするよな?」
「む、どういう意味だ」
「いや、だから、溺愛されてる弟ってのはお前だって」
「わ、私がサラ姫様の、弟だと……!? 滅相もないッ!」
イングズが慌てた様子で首を横に振った。
────ほんっと、サラ姫の事となると分かり易いよなぁ。
「大きな声出すなよ……! 二人起こしちまうだろ? てかさ、イングズってサラ姫の事あくまで"姫さま"としか見てないのかよ」
「ひ、姫様は、姫様だろう。それ以上も、それ以下でも………」
「う〜ん、自覚ないだけか、ただのむっつりスケベか………」
「 ────何だと 」
うおっ、冷たい視線……!? そんな表情しても、余計美形際立つから不思議だ。
「ま、まぁアレだ! 大丈夫だって、おれが保証してやるから。サラ姫はイングズのこと、見捨てたりしないってなっ。そーなったらなったで、おれが拾ってやるよ?」
「 ………お前に拾われてどうしろと」
「ん〜、一生おれの付き人」
「 ────断る 」
「はっは〜、だよなぁ」
「こうして気兼ねなく話せる仲間がいるというのは、いいものだな」
「へ? な、何だよ急に」
イングズの瞳に映る炎の灯りが、静かに輝きを増した気がした。
「 光の戦士としてだけでなく、共に闘う仲間がいてこそ、1人では出来ない事も可能となる。………間違ってしまっても、失ってもそこからまた、やり直せばいい。生きている限り────何度でも」
「 ………1人でカッコつけて納得してんじゃねーよ、このっ」
そこは、ふざけるべきじゃなかったかもしんないけど、真面目くさった展開はどーも
苦手で、イングズの片頬につい手を伸ばし、つまんでやった。
「 ────ひゃめろ、びゃかものッ(やめろ、馬鹿者ッ)」
「うひゃ〜、美形台無し〜っ」
「 ────── 」
「わっ、なに……?!」
つまみ返されると思ったら、両手を伸ばしてきたイングズの籠手を付けてないその生手は、おれの両頬をそっと包んだ。
────少し、ひんやりする。
こっちがつまんでいた手は、自然と放した。
「 ルーネス、お前が仲間で ────お前がいてくれて良かった」
惹き付けられてしまうその優しげな眼差しと微笑み………
おれも、よかったよ。
イングズが、いてくれて─────
………いつの間にか、抱擁を交わしていた。
今この時、互いを手離すまいとするかのように。
End
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