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リメイク版FF3・短編集
よかった、君がいてくれて
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する姉さんって気もするよな?」


「む、どういう意味だ」


「いや、だから、溺愛されてる弟ってのはお前だって」


「わ、私がサラ姫様の、弟だと……!? 滅相もないッ!」


 イングズが慌てた様子で首を横に振った。

────ほんっと、サラ姫の事となると分かり易いよなぁ。


「大きな声出すなよ……! 二人起こしちまうだろ? てかさ、イングズってサラ姫の事あくまで"姫さま"としか見てないのかよ」


「ひ、姫様は、姫様だろう。それ以上も、それ以下でも………」


「う〜ん、自覚ないだけか、ただのむっつりスケベか………」


「 ────何だと 」


 うおっ、冷たい視線……!? そんな表情しても、余計美形際立つから不思議だ。


「ま、まぁアレだ! 大丈夫だって、おれが保証してやるから。サラ姫はイングズのこと、見捨てたりしないってなっ。そーなったらなったで、おれが拾ってやるよ?」


「 ………お前に拾われてどうしろと」

「ん〜、一生おれの付き人」


「 ────断る 」


「はっは〜、だよなぁ」



「こうして気兼ねなく話せる仲間がいるというのは、いいものだな」


「へ? な、何だよ急に」


 イングズの瞳に映る炎の灯りが、静かに輝きを増した気がした。


「 光の戦士としてだけでなく、共に闘う仲間がいてこそ、1人では出来ない事も可能となる。………間違ってしまっても、失ってもそこからまた、やり直せばいい。生きている限り────何度でも」



「 ………1人でカッコつけて納得してんじゃねーよ、このっ」


 そこは、ふざけるべきじゃなかったかもしんないけど、真面目くさった展開はどーも
苦手で、イングズの片頬につい手を伸ばし、つまんでやった。

「 ────ひゃめろ、びゃかものッ(やめろ、馬鹿者ッ)」

「うひゃ〜、美形台無し〜っ」


「 ────── 」


「わっ、なに……?!」


 つまみ返されると思ったら、両手を伸ばしてきたイングズの籠手を付けてないその生手は、おれの両頬をそっと包んだ。

────少し、ひんやりする。

こっちがつまんでいた手は、自然と放した。



「 ルーネス、お前が仲間で ────お前がいてくれて良かった」



 惹き付けられてしまうその優しげな眼差しと微笑み………

おれも、よかったよ。

イングズが、いてくれて─────




 ………いつの間にか、抱擁を交わしていた。


今この時、互いを手離すまいとするかのように。




End
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