合宿編
二十話
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うが、最早アインハルトとって慣れたもので平然と訊き返す。
そして、ぐ、と言葉に詰まったアレクに訝しげに首を傾げ、横に腰を下ろした。その際に、アレクに掛かったタオルケットに目が付いた。
此処で寝る積もりだろうか。だとしたら、何故? ロッジから出て一人で寝たい理由はなんだろうか。
「お前には関係ねぇ、どーでもいいことだ」
考えながら待っていたが、遅れて返ってきたアレクの言葉は、少し感に触った。
偶々目が覚めて考え事をしながら窓の外を眺めていたところ、出て行くアレクを見つけ何気なしに追ってきただけだが、其れまでの考え事にはアレクの事も含まれていた。
ヴィヴィオ達と話し、自身もインターミドル参加の意思表示をすると同時に気になったのだ。アレクはどうするのか、と。
アレクと本気で対峙した時の思いと熱は未だ胸にある。
だが、インターミドルは男女別であり、会場でアレクと拳を交える事は決してない。色々な相手と戦う事は望ましいが、あの思いと熱を塗り替えたくなかった。同じ舞台に立っていないと、離れて行くような気すらした。――――地と空に別れたクラウスとオリヴィエのように。
だからせめて、アレクさんも参加してくれれば、同じ舞台に立ってくれれば……。
故に、口が勝手に動いていた。自分でも驚く程に。
「教えて下さい」
アレクはアインハルトの態度を、珍しいと思った。
アインハルトは拳を握らぬ限り、他人の事情にあまり深く踏み込んでこない。特に、王関連やティアナが関与してない事は滅多に無い。
だが、其れ以上に面倒臭くなりそうな気がした。能々考えれば、懐疑心が働き必要以上に警戒しただけで、隠すような理由でもない。
「枕が変わると寝れねーんだよ」
「………………え?」
「んだよ、その顔は」
「あ、いえ、その……。アレクさんがそんなデリケートだったとは……」
「……あ゛?」
「あ」
予想外、とアインハルトは目を丸くした。全く関係無い事情だっただけに。
それに、アレクにそんなデリケートな部分があるとは微塵も思わなかったので、此方の方が衝撃が強い。普段のアレクを知るだけに。なのでついつい本音が出てしまった。
失言、とアインハルトは口を押さえる……が、もう遅い。アレクの片眉が不機嫌丸出しで跳ね上がっていた。
だが、此処で謝ったとしても、火に油を注ぐようなもの。アインハルトはどう言ったものかと考え巡らすが、何も思い付かない。
「俺がデリケートだったら悪いのか? ああ゛ン?」
「い、いえ、決してそのようなことは――――っ!?」
ありません、と発する前にアレクの手が肩へ伸び、そのまま押し倒された。
そして倒れたアインハルトの上に跨り、マウントポジションを取った。
「ショウ、タァ〜イ
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