1部分:第一章
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た。
「じゃあ。待たせてもらうよ」
「少しだけだからな」
こう言って老人にしてはやけに早く、そうして何処か柔らかい足取りでその場を後にするのだった。そうして暫くして紙と鉛筆を持って戻ってきた。そうしてその上で彼に直接手渡した。その弱々しく今にも崩れ落ちてしまいそうな骨と皮だけになってしまっている手に。
「これでいいんだな」
「うん。久し振りに書けるよ」
彼はここでもまた微笑んで述べるのだった。
「そんな気持なんだ。今」
「気持ちか」
「最後だからね」
微笑は弱々しく、そして何処か儚い。そうしたものになっていた。
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