暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
24.救助の先
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ちおう医療系の接触感応能力者(サイコメトラー)だから。直接肌に触れるだけで、だいたいのところは診えるのよ」

「……まさか……過適応能力者(ハイパーアダプター)?」

 古城以外の全員が息を呑む。魔術に頼らない天然の“超能力者”たちの総称だ。

「それでも……胸を揉む必要はあるのかな……」

 苦笑いを浮かべながら友妃は呟いた。

「あなたは……逢崎友妃ちゃんだったわね」

「え……あ、はい」

 少し驚きの表情を見せる友妃に深森は、大きく首を振る。

「私の能力は可愛い女の子のおっぱいを揉むのが発動条件なの。だから仕方なかったの」

「そ、そうなんですか?」

「──嘘に決まってるだろ。そんな下品な接触感応能力者(サイコメトラー)がいるかっ。初対面の相手に適当なことを言うなっ!」

「「──ですよね」」

 危うく信じかける雪菜を庇って、古城が深森を怒鳴った。彩斗と友妃は息のあった声を洩らした。

「……悪いな。こんな医者しか心当たりがなくて」

 立ち尽くしている雪菜に、古城は小声で謝罪した。

「いえ、よく理解できました。やはり先輩のお母様ですね」

 妙に納得した口調で呟く雪菜。なんでそうなる、と古城は不満を引き攣らせるが、ふと見れば、深森は優麻の胸に頬を埋めながら、興奮のあまり鼻血を流していた。

「心配しないで。これは接触感応(サイコメトリー)の副作用だから。決して邪なものではないから」

 全く説得力のない言い訳をしながら、深森は頭を上げる。

「ふーん、この霊力径路の傷……ユウちゃんは“守護者”を無理やり奪われたのね」

 今までふざけているようにしか見えなかった深森の診断は正解だ。
 優麻は、魔女契約によって手に入れた“守護者”を奪われた。切断された霊力径路から、残された魔力が流出を続ければ、やがて魔力は枯渇して死は間逃れない。
 だが、“守護者”の一部を優麻へと返還したことで普通よりは時間は長いはずだ。

「助けられるか?」

 不安げな表情で古城が訊いた。
 深森は、さあ、と答えながらはぐらかすように微笑み、彩斗を見るのだった。
 とてつもない悪寒が身体を走った。

「ちょっとあなたの右手見せてもらえるかしら」

「あ、はい」

 恐る恐る差し出す右手を深森は力強く握る。その力に一瞬、肩を震わす。

「うん、なるほどね」

 なにかを理解したような声を深森は洩らす。
 まさか自分の正体がバレたのか。彼女の能力ならあり得ない話ではない。
 だと、するならとてもまずい状況だと言うことになる。

「あなた治療系の能力者よね?」

「はい?」

 予想外の言葉に彩斗は間抜けな声を出してしまった。

「あ
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