暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
観測者たちの宴篇
24.救助の先
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れたのは、可愛らしい童顔の女性だった。

「ふんふー……驚いた?」

 童顔の女性は得意げに胸を張りながら訊いてくる。古城はイライラしながら睨みつける。

「驚くわっ! いきなりなにやってんだ、あんたは」

「だって今日は波朧院フェスタでしょ。私も行きたかったのにー。トリック・オア・ダアイ!」

「なんかいろいろと間違ってるだろ! 恐ェよ、その祭り!」

 荒々しく呼吸を乱しながら、古城は叫ぶ。
 どうやらこの人が古城の母親らしい。

「あら、あなたたちは……?」

 ニヤリ、とものすごく嬉しそうに浮かべた。

「めちゃめちゃ可愛い子たちじゃない!」

 息子の言葉を無視して、彼女は歓喜の声を上げる。

「どの子が本命なの? もうヤった? やだ、もしかして家族が増えちゃう? 私、もうすぐおばあちゃんになっちゃうの?」

「増えねえし、ならねーよ! 少しは人の話を聞け!」

 わけもわからない無力感に襲われながら、古城は母親を一喝する。

「おまえの母さんも随分、個性的な性格の持ち主だな」

 彩斗はつくづく古城が自分と同じ境遇なのだと苦笑いを浮かべるしかなかった。
 そんな玄関の騒ぎを聞きつけて、深森の部屋の奥から小柄な人影が現れる。ショートカット風に束ねた長い髪と、大きな瞳が印象的な少女だ。

「あれぇ? 古城君?」

「えっ……!?」

 思いがけない遭遇に古城はぽかんと口を開ける。何も言わずに姿を消した少女だった。

「凪沙? おまえ……なんで……いつから?」

「今朝早くに深森ちゃんに呼ばれて、着替えを届けに来たんだよ」

 黒猫風の衣装を着た凪沙は、驚く古城を、不思議そうに見返す。

「それより、古城君、どうしたの? 雪菜ちゃんたちもずっと一緒だったの?」

 その質問に説明をどうしようか思考を巡らせる。雪菜と友妃は引き攣ったような笑みを浮かべて、ぎこちなくうなずく。

「こ、こんばんは」

「う、うん。まあ、そ、そんなところかな」

「ていうか、彩斗君の背負ってるのって、ユウちゃん? 怪我してる!? なにがあったの? そっちの女の人は誰? あれ、前にもどこかで会ったような気が……」

 凪沙が止めどなく質問を繰り出してくる。

「あの、あなた……古城君とどういう関係なんですか?」

「え!? わ、私!?」

 凪沙に勢いよく詰め寄られて、紗矢華は頼りなく目を逸らした。
 今思い出してみれば、紗矢華と凪沙は黒死皇派の事件の前に接触していたのだった。その騒動で浅葱が怪我をしているせいで凪沙の第一印象は最悪だろう。
 涙目になった紗矢華が古城に助けを求める。そんな古城は
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