一話
一章
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目の前にいる、執務室の椅子に足を乗せて怠そうにしている若い男ーーこの人物が呉鎮守府の提督らしい。その横で金剛型戦艦一番艦、金剛が、何やら彼に睨みを効かせていた。
雪風の話に依れば、秘書艦になったが最後、一部を例外として、提督からのセクハラに一日中耐え抜かなければならないらしい。前の佐世保鎮守府の提督は、堅物すぎて嫌われていたが、こちらではその逆らしい。
「ま、今日から君もこの鎮守府の一員だ。戦闘は服が破れ……もとい、怪我しないようにしてくれればいいから、頑張れ」
提督は、そう気怠そうに言った。
時雨は、敬礼をして、執務室から出た。戸をゆっくり閉めると、深い深いため息をついて、廊下にへたり込んだ。
(た、頼りなさすぎる……)
あんな提督の元でやっていけるのだろうかーー時雨は、今後の生活が心配になった。
時雨は、いやいや、と首を横に振って立ち上がると、
「どれだけ提督がダメ人間でも、ボクは提督に従わなくちゃならないんだ。軍人である以上は!よし、頑張るぞー!」
時雨は意気込むと、長い廊下を、軽いような重いような足取りで歩いていった。
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