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少年と女神の物語
第九十八話
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二神はこの二つを捨てた。
 第一子は船に乗せて流し、捨て去ることでその歴史を消し去ろうとした。
 さらには、禍々しい動物の名を与えることでその存在を貶めた。読みはそのままに、ただ貶めることだけをした。
 おかげでその正体を探るのは少し楽になってるんだけど。

「さらには、不見(みず)の名まで与えることで、必死に目を逸らさせることを追い求めた。・・・そこを新たな神話の。正しい神話の始まりであることを、民に知らしめるために!」

 さあ、準備は整った。
 意識の奥底へ手が届き、そこにあった物を掴みとる事が出来た。

 新たに権能を掌握した感覚ではない。
 元々持っていた権能の掌握が進んだ感覚。
 ずっと一緒にいるのに全然掌握が進んでいなかった権能が、また掌握が進んだ。
 おそらく、まだ完全ではないのだろう。この権能が、あいつから簒奪した権能がこの程度ではないはずだ。
 そうだろう?・・・ゼウス。

「我は全ての王、全ての民の父である。今ここに我は我が友、我が民、我が親族へ我が加護を授ける」

 ここまでは静かに唱え、同時に精神の手を家族に触れさせ、その中まで伸ばす。
 一番奥底に触れて、直接通すための道を完成させて・・・

「さあ、皆の衆!開戦の時だ!」

 俺の加護を、全員に流し込む。

 ゼウスの雷の持つ属性は、破壊、鋼、恵みの三つ。
 このうちの恵みの属性が、こうして現れたんだな。

「剣を持て、槍を構えよ、術を唱えよ!我らの共通の敵を、今こそ討ち取るぞ!」

 最後まで唱えきった瞬間に、俺を中心に全員をつなぐ回路(パス)が一瞬見えるようになる。
 全員に流れ込む、雷として。

 そして、全員の衣装も変化した。

 林姉は、脚を使うためか深くスリットの入ったチャイナドレスに。
 崎姉は、部分的に鎧を纏ってケープを肩にかけ、サーベルを構える。
 リズ姉は、白で統一された魔術師らしき衣装を。
 アテは、前にアテナが着ていたような薄く、白い服を。
 マリーは、まさに格闘家、という服装に両手に保護のためのアーマーらしきものをつけている。
 立夏は、なぜか魔法少女と魔女を合わせて二で割ったような格好を。
 切歌と調は、イガリマとシュルシャガナを纏い、少しデザインが変わっている。色も、剣の色がメインだったものが白メインになっている。
 氷柱は、十二単を着て手に神楽鈴を持っている。
 ナーシャは、古代インドの王族の衣装を着て、腕の一部に鱗が生え、王冠をかぶっている。
 ビアンカは、白ゴス、だったか?幸運のビアンカには似合う恰好をしている。
 桜は、呪術師の格好をして手に小さな壷・・・蟲壷をもっている。
 狐鳥は、狐面をつけ白装束・・・生贄のような服を着ている。

 さて、
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