第九十七話
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」
「それに、うちにはもうカンピオーネの俺にまつろわぬ女神のアテまでいるんだぜ?今更神祖がいましたってなっても、面倒事の量は変わらねえよ」
「・・・・・・・・・」
「さっさとこの神を殺して、家に帰るぞ。こうして話してる時間を皆が稼いでくれてるんだ」
「・・・簡単に、言ってのけるものだな」
そして、それでも・・・武双君なら、やれそうだと思えてしまう。
だから、不意打ちでキスをしてやった。
前にやったようなものではなく、しっかりと舌をねじ込んで。
「!?・・・・・・!?」
「・・・ボクがここで視ることのできた、この神の知識。この神の正体。その全てを君に享受してあげよう。むせび泣いて喜んでもいいが?」
そう言ってから、再び唇を押しつけて舌をねじ込み、武双君の下と絡める。
そんな中でも、しっかりと教授の術は使っていく。
太陽神であり、海に関わる神となるロジック。
時代の流れとともに得た、二つの同一視される、海の神の歴史。
そして、最も重要な・・・鋼の神でありながら、蛇の神となる理由。
どういった形で最源流の鋼足りえるのか。
なぜ草薙の剣が・・・天叢雲剣が使えるのか。
直接中にいることで得ることのできた、この神の全てを。
「・・・これはまた・・・確かにこれは、スサノオの家族になるよなぁ・・・」
「立派に、な。そして、スサノオ以上に最源流の鋼だ」
そう言いながら、ボクは唇をはなした。
名残惜しかったが、もう伝えるべきことは全て伝えた。
今やるべきことは、他にあるのだから。
「・・・これでもう、負ける理由はなくなったな」
「君には、草薙護堂の様な権能はないだろう?それでも、この知識が武器になりえると?」
「ああ。立派な武器になるよ。・・・忘れたのか?俺にもちゃんと、あいつみたいな権能がある事を」
そういえば・・・そうだった。
すっかり忘れていた。
「さて、と。まずはここから脱出して、皆と合流するか」
「そうだな。・・・どうやって?」
「・・・多分、いけるはず」
そう言いながら、武双君は初めて聞く言霊を唱え始めた。
「雷よ、我が手に集え」
その瞬間に、武双君の手もとに雷が発生してきた。
いや、あの言霊をそのままに受け取るのなら・・・集まって、来た。
「集いし雷よ、ここに束ねよ。汝らを束ね、我は武具を作り出す。我が親族の振るいし武具を作り出す!」
そして、雷が集まってできた球体の中には、一つの影が・・・
「顕現せよ、ウコンバサラ!」
雷がはじけ、中にあるものがはっきりと見えた。
そこにあったのは、どこか古い印象を受ける。だがいくら使っても壊れなさそうな一つのハンマー。
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