暁 〜小説投稿サイト〜
神の子は世界を巡る《緋弾編》
第X章 熾る不死鳥
第025弾「大切な者」
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 2006年 5月 13歳
 ──オランダ──

 手榴弾の衝撃で飛び散った鵺の手足を踏み潰し、ダルマとなって動け無い本体へと近づいて行く.......

「───ぁ──あっ」

 それでもなお、呻き声をあげ必死に生きようと蠢く鵺の身体に、鉄杭を転移させ行動を封じる────

──────グジュゥッッ!!

「───、───!!」

 声に成らない悲鳴を発し、痛みに苦しみもがく鵺に声をかける。

「生きたいか、鵺?」

 鵺は動かぬ身体を必死に動かし、肯定の意思を見せる。

「そうか、なら────暦鏡≠だせ、2013年 4月 18日の居鳳町へと続く......」

「む、無理っじょ!今は式力の残────」

──────グシャリッッ!!

 足元にある鵺の血肉を再度踏み潰し、冷たい目で鵺を睨みつける。 そう────出来なければコロスゾと、言う様に。

「びょ──びょぉ...」

 顔を死≠ヨの恐怖で歪め、必死に鏡を構築し───10分程が経過したのちに暦鏡≠ェ完成した。

「人間やるきになれば、何でもできるんだな。いや、鵺は化生か」

 鏡の中にケータイを突っ込み、Wi-Fiに繋ぎ年と時間を確認する。

「ん、ビンゴ。というかまだ、契約しっぱかよ」

 リサの亡骸を抱き上げ暦鏡へと近づいて行く。 その途中で、鵺の安堵の声が聞こえ振り返り声をかける。

「じゃあな───鵺」

──────ヒュン

 ピンを抜き鵺の体内に手榴弾を転移して、鏡をくぐり時間軸を移動した。

──────ゴォォォォオオオ!!!!!

 後ろから、肉体を引き裂くような生々しい音と、鵺の悲鳴、手榴弾の起爆による轟音が同時に聞こえた。

 □ ■ □

 2013年 4月 13歳
 ──居鳳町──

「─────」

 周囲は夜。
 明かりは限られた電灯しかなく、周りがほとんど闇に包まれている。
 それでも、自身の10m先に立っている濃厚な死の気配≠纏った男のことは、明確に見える────否、見えるのではなく見ざる追えない=B

 アレから眼を離した瞬間殺される。 そんな、予知に近い直感が身体中を駆け巡る。

「ハァ───そんなに警戒するなよ。自身とはいえ、良い気分じゃない」

「なんだ俺かよ、怖いから止めろ......」

 一瞬で緊張感が霧散し、今までの疲れがどっと押し寄せてくる。

「まあ、とりあえず移動するぞ」

──────ヒュン

 未来の俺に座標移動で転移された場所は、ホテルの一室だった。

「で?何の用?」

「いきなり本題?もうチョイ世間話とかしない?」

 ────確実に俺の精神状態を知った上で、的確に煽っ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ