番外15話『激情晩その後』
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思っていない。寧ろみんなには言っておかないとと思っていたのも事実だ。みんな俺の気持ちを知っているわけだし。
けれどやっぱり、思うこともないわけではなくて。
「――ただ?」
ナミに続きを促されて……ため息で間を取ってから、続きを言う。
「恥ずかしいな、ちょっと」
「それは……うん、私も」
ナミがなんだかくすぐったそうな表情で頷いてくれました。
「……」
可愛いです。やばいです。
絶句してしまいました。あまりの可愛さに。口調がおかしいのも全部ナミのせいです。
王下七武海には絶世の美女がいるらしいけど、それよりもナミは可愛いと断言する……いや、まぁ会ったことないからテキトーだけど。
こうやってナミと二人の世界に入って完全に油断してしまったせいだろうか。
「――いつまでナミさんと世界に浸ってやがんだクソ野郎っ!」
サンジの嫉妬に気付くのが遅れた。
「うぉっ!?」
背中から蹴りこまれたサンジの蹴り――威力は調整してあったのか、痛みはあまりない――を喰らってそのまま弾かれてしまった。
人間というものは背中から蹴られてしまうと当然自分が向いている前方へと、それはもう当たり前に押し出されてしまうわけで。油断していたというか完全にナミにばかり気を向けていた俺がそれに抗う術なんてないわけで。さらにいうなら俺の前方にはナミが椅子に座っているわけで。
要するに何が言いたいかというとつまりは、ナミの胸に俺はダイブしてしまった。しかも勢いは止まらずに椅子の背中から倒れこみ――
「っててて……しまった油断して……ん?」
背中をさする俺の下にはナミがいて。
「いったー……ん?」
顔をしかめているナミの上には俺がいて。
「……」
「……」
目があった。
――完全に俺が今ナミを押し倒している状況になってしまっていた。
これに関してはもちろんわざとじゃないし、不可抗力だ。いくら俺でもみんながいる前でナミを押し倒すだなんてマネはできない。いや、二人っきりでもそれをできるかと問われたら多分NOと答えるけど。
「……」
「……」
本当は動きたくないけど、流石に動かないわけにもいかない。
「……ふぅ」
「……」
俺とナミが顔をそらして、ゆっくりと立ち上がる。
顔が熱いのはきっと気のせいじゃないし、ついでにいうならなんとなくみんなの前でこういう態勢になってしまったことに気まずさを覚えているのもきっと気のせいじゃない。
「……? おまえらなんか変だぞ?」
ルフィが首を傾げてつぶやき、それに対してなぜか笑顔をしているビビが「ハントさんとナミさんが――」とゴニョゴニョと小さい声でなにかを話す。ルフィに
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