番外14話『激情晩』
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え?
さっき?
俺そんなこと言ったっけ?
いやいやいや。いくら俺でもそういうことを言うのは時と場合を考えて――
「――私が好きだから仲間になったって……言ってたじゃない」
「……」
俺が仲間になった理由をナミに言ったとき?
「……」
なんて言ったっけ。
「……」
えっと……確か『最初はナミが好きだから、ただナミと一緒にいたくて仲間になっただけだった』って、こう言ったんだっけ?
「…………」
言った。
『最初はナミが好きだから、ただナミと一緒にいたくて』
……うん、言ってた。
いやいやいや!?
『最初はナミが好きだから』
…………言ってるね。
いやいやいやいや!?
『ナミが好きだから』
………………これは告白になっちゃってますか?
いやいやいやいやいや!?
いや、えっと……やばい! やっちまった! やっちまったよ!
いやいやいややばいよ。これはやばいよ。やっちまったよ。
どれぐらいやばいかっていうともういやいやしか言えないぐらいやばい!
やばいとしか言えないぐらいやばい!
うわ、いや、まじでか!
やっちまったよ、いやいやいや!
「ハン――」
「――はい!?」
絶対今顔真っ赤だわ。
ものすごく血が流れてて血が足りないのに顔真っ赤だわ。
だってすごく顔が熱いもの。
もう口調がわけわかめだわ。
あぁ、混乱どころか恐慌状態だわこれ、ちょっと自分でも自分がどういう心境なのかわからない。
「ちなみに、だけど」
「お、おう」
「チョッパーが仲間になった時『私が死んだら俺が生きてる意味がないだろうが!』『ずっとナミと一緒にいたいんだ』ってハントが言ったこともあったわよね?」
「……っ!?」
……あった。
これはすぐに思い出した。
俺が目が覚めて、珍しく……もしかしたら初めてナミにムカついたかもしれない時だ。
あの時は頭に血が上っててなんとも思ってなかったけど、俺はどうやらもうプロポーズみたいなことを言ってたらしい。
最悪だ。
どうやらやってしまっていた。
「……いや、あの……――」
――だめだ。
言うことが思い浮かばない。
ただただナミに振られるという嫌な現実が来てしまう。
いくらナミに惚れたことを感謝してるとか格好つけたこと思っても、それはまだ先のことだからっていう非現実感が手伝ってくれてたからであって、いきなりこういうナミにフられる構図を思い浮かべては決してない。
せっかく元気出たのに、明日からどうしたものか。いや、ほんとに。
「あんたのことだから家族って意味かと思ってたけど……その感じだとやっぱり違う
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