番外14話『激情晩』
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かせて、恥ずかしそうに。
……え、なんでそこで恥ずかしそう?
意味が分からずにナミを見つめていたら、逆にナミに不思議そうな顔をされてしまった。
「なにその不思議そうな顔――」
ふとナミが言葉を止めて、それからナミが何かに気付いたらしい。
「――って!? ……もしかしてわかってないの? っていうかそっか……わかってなかったからずっとあんな態度だったのね」
今度は呆れ顔でため息をつかれてしまった。
ナミの一人で百面相の会だろうか。
一人だけわかったような態度をとるのはやめてほしい。
俺なんかまだ現実感ないし、ナミの真意すらわからずに混乱してる。
「……」
気付けばナミに人差し指を突きつけられていることに気付いた。黙って人を指さすのはよくないと思うぞ、うん。
「……えっと?」
「あんたよ! あ・ん・た!」
「なにが?」
急にあんたと言われても意味が分からない。
俺の頭をなめるなよ! いや、威張って言えることじゃないのはわかってるけど。
ナミの言葉の意味をくみ取れなかったせいかナミはナミでお怒りのご様子。
髪をくしゃくしゃと……雨にずっとされされていたからビシャビシャと……いうほうが正しいのかもしれない。いや、ともかく。ビシャビシャと髪の毛をかき乱して「だから! 先約っていうのは……ハント、あんたのこと!」
「ああ……なるほど。なんだよ、先約って俺のことだったのか……やっと誰かわかった」
先約って誰のことかさっぱりわからなかったから、遂に聞けた。
なんというかこう、感慨深いものが……ん?
「え?」
ちょっと考えようか。
…………………………うん。
「俺!?」
先約が!?
先約が俺って言った?
いや、言ったよな!
間違いなく言ったよな!
だって俺聞いてたし!
しかもナミも頷いてくれてるし!
つまり、やっぱりナミも俺のことを……そう考えても……いや、待った。それならそれでまた別の疑問が浮かぶ。
「なんで俺に先約って言ったんだ? 俺がナミにとっての先約っていう人物ならその時に言ってくれたらよかったんじゃないのか?」
その時にちゃんと言ってくれてたら、ものすごく悩む必要なんってなかったってことじゃないか。
「あのね、あの時はハントのことをハントってわからなかったんだから」
……あ。
「……そういえば」
納得です。
そうか、そういえば……そうだよなぁ。
あの時のナミは俺のことをわかってなかったんだった。
「なんで自分のことを先約だって思えないのよ」
「ほんとになぁ……ま、バカだからな!」
「えばることか!!」
ナミらしい鋭い突っ込みに、今回は拳
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