番外14話『激情晩』
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れ」
どうやら俺は泣いているらしい。
情けなさ過ぎて泣いているのだろうか。
悔しすぎて泣いているのだろうか。
それとも悲しいからか?
自分の感情ながらよくわからないけど、どれにしたって笑える話だ。
今回のアラバスタ王国で唯一何も頑張らなかった俺が泣いているだなんて……いったいどれだけ俺は恥知らずなのか。俺には泣く資格すらないはずなのに。
「……はは」
笑ってしまう。
弱すぎて。
体も……それ以上に心も。
俺は麦わらの一味としていったい何をやったんだろうか。
――ビビをミス・オールサンデーから助けた?
今にして思えばあの時のミス・オールサンデーはビビをただクロコダイルのところへと連れて行こうとしていただけだった。俺がでしゃばる必要なんか全くなかった。
――クロコダイルのセクハラっぽい行動を防いだ?
どうせあの時クロコダイルにビビを殺す気なんかなかった。見聞色を発動してたけど攻撃する意思は感じられなかったからわかっている。俺がでしゃばる意味なんか全くなかった。
――他には何をやった?
あぁ、爆弾を見つけたか。
爆弾を処理した後、時計塔の戻ったら既にみんな時計塔に集まっていた。もちろん勝手に爆弾を処理した俺はみんなに「伝言を残すとかしとけよ」としこたま怒られたけど、まぁそれはこの際どうでもいいいい。
大事なのはみんなが砲撃の位置を既に把握していたことだ。
たぶんだけど俺がでしゃばらなくてもみんな爆弾を見つけていた。
爆弾の処理では俺も手伝ったけどペルさんが欲張らなければ爆弾をどっかに放置すればいいだけの話で、俺が遠投をしないと絶対にまずい、という状況では決してなかったんだから、これだって俺がいなくても問題はきっと解決していた。
そう、つまり。
つまりだ。
考えれば考えるほど、俺は何もやっていない。
それを思った瞬間、口に出さずにはいられなかった。
「口だけにも……程があるだろうが!」
怒りが収まらないせいか。
右手を反射的に振りかぶっていた。
全力で体をひねったから腹の傷が痛んだ。
けど止まれない。
「このっ……ふぬけばか野郎がっっ!」
割れている右拳を、ただ地面に叩き付けた。覇気は使っていない。
拳が地面に突き刺さって、割れた大地をさらに細かくヒビを入れていく。ひび割れが地面を伝ってクロコダイルが割ったであろう地割れ部分へと到達する。クロコダイルとルフィの戦いて地面が割れていなかったら、おそらくだけどヒビ割れが宮殿にまで走っていたかもしれない。
自分でいうのもなんだけどこんなにも力があるんだと他人事みたいに誇らしく思って、だからこそそれだけの力があってなんで負けたんだと自分
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