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しろ
しもべとご主人様
[前書き]

[1]本文 [2]次話
高い天井まで届くステンドグラスから、鮮やかな色彩を乗せた朝日が零れ落ちる。
描かれているのは、慈悲の天使の姿である。眼下のベッドに横たわる少女へ、憂いを帯びた視線を投げかけていた。

小さな手のひらを胸の上に重ね、真っ白な少女は、静かに眠っている。その白い肌は、シルクのシーツに溶けているかのようだった。映画館のスクリーンのように、色とりどりの光を、そのまま映しだす。
肌のみならず、長い睫毛や、流れる髪も、ミルク色に艶めいている。まるでベッドともども、一つの石から削り出した彫刻のようだ。

少女は何故、息をすることも忘れて、眠り続けているのか。
否。少女は待っているのだ。止まってしまった時を動かすものを。自らを目覚めさせる、何者かを。


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