番外13話『終戦』
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足りない俺にナイスなプランを!
「この砲弾あと10分で爆発するみたいなんだけど、どうしたらいいかな」
「……なに?」
俺と同じようにペルさんも砲弾を覗いて、けど俺とは違ってすぐに頷いた。
「私が誰もいない砂漠へとこれを運んで来よう」
「……え?」
「残り10分。それだけの時間があるならばお釣りが出るくらいさ……砂漠の地形が少し変わってしまうかもしれないが、人の命にはかえられないだろう」
「俺も一応行こうか? この爆弾を捨てる場所の周囲に人がいるかどうかを確認できるし」
「……なるほど、では頼む」
爆弾を運ぶペルさんの背中に乗る。
ものすごく重そうな爆弾プラス俺を運んでいるにも関わらずペルさんはグングンと高度を上げて一気に町の外へと翼をはためかせ、町から離脱。そのまま砂漠のど真ん中へ。
残り時間が5分になったところで、ペルさんが移動を止めた。
「ここなら?」
「……うん、人はいない。というか動物も虫もいない……なんでだ?」
「ここは既にアルバーナの圏外だからね」
「?」
「クロコダイルがダンスパウダーでアルバーナ以外の水を奪った結果――」
「――動物も虫も移動したか、死んだかってこと?」
「……おかげで爆弾を放置することに幾分か気が楽だよ」
「……まぁ、確かに」
とはいえすさまじいまでの爆発がここで起きるわけで、この周辺数キロにはなんの生命反応もないけど、たぶんこの砂漠に何らかの影響があるはずだ。詳しいことは俺にはわからないし、ペルさんもそういう分野は詳しくないみたいだからわからないようだけど、さすがに何の影響も与えないとは考えにく。
「……この国に大きな影響を与えないといいんだが」
ペルさんがどこか浮かない顔で呟いて、爆弾をゆっくりと砂の地面に置く。
「動植物にも影響がないと俺も気が楽でいいけど」
なんとなく俺も思ったことを呟く。でも、こればっかりは流石に放置する以外に方法はない。
残り時間はもう4分。
そろそろ俺たちも戻ってみんなに爆弾の心配はもうないって言いたい。
と思ってたら「なぁ、ハント君」
ペルさんが声をかけてきた。
「どこにも被害が及ばないように空中で爆発させることはできないだろうか」
「……空中で?」
「残り時間2分になったら俺が高度限界まで飛ぶ。で、5秒になったら爆弾を捨てて逃げる」
とりあえず思った。
危なすぎるだろ、それ。しかも5秒で爆破範囲から逃げられるんだろうか。正確な範囲もわからないのに。
「……いい考えだと思うんだが」
しかもペルさんやる気満々だし。
「いや、流石にそれは――」
「――頼む、やらせてくれ。君はこのまま逃げてくれて構わない。君なら5分あれば範囲から逃れられ
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