番外13話『終戦』
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うそんな言葉に答えずに俺は無言でペルさんの背中から飛び降りた。
「ハント君!?」
ペルさんの呼び声を後ろに、塵旋風の中へと飛び込む。
――見えた。
時計塔のてっぺんの時計、そこがわずかに開いて銃口が二つ見えた。慌てて銃口を引っ込めて時計の隙間を閉じたようだけど、もう時計塔の時計の内部にいることは百も承知。
「魚人空手陸式――」
左手に力を込めてためておく。
「ふっ!」
呼吸を鋭く吐き出して、左足で時計をぶち抜いて、中へと侵入。勢いのままに両足で着地した。
内部は予想通り、大きな大砲とその横には驚いた顔をしている男女のペアが。この二人が、たぶんB.Wの砲撃手。眉毛が7の男とカエルの帽子をかぶった女だ。俺にぶち抜かれた時計が奥の壁にぶつかってド派手な音をたてたせいで、二人の注意はそっちに。
悪いけど雑魚とじゃれあっている時間はない。
話す時間すらもったいない。
あとさっきの銃弾が痛いからその恨みも込みで。
「――若葉瓦正拳」
左手で放った。
今更のごとく俺に気づいた二人が銃口を俺に向けながら口を開こうとして――
「おほっ!?」
「ゲロっ!?」
――炸裂した。
二人がその場で崩れ落ちた。
まぁ、半日は目を覚まさないだろう。この二人弱そうだし。
両足で着地したせいでクロコダイルに切られた右足から血が滲む。というかさっきの若葉瓦正拳で腹の傷が完全に開いたし。滅茶苦茶痛い。もう座り込みたい。とはいえまだ休む気にはなれない。
周囲に火種になりそうなものがないかを確認。
念のためオホ男とゲロ女の持ち物も見て、火種になりそうなものすべてを外に放り投げてしまう。銃も投げ捨てていいのか考えたけどさすがにそのまま投げると危ないから弾丸だけ捨てて放り棄てておく。
「これでとりあえずは大丈夫……ん?」
なんかカチカチ聞こえるけど……これは何だ。
大砲の中身を覗く。
「……マジか」
ホッと一息とはいかせてもらえないらしい。
大砲の中身、その砲弾はどうも時限式の爆弾にもなっているらしく、時間が設定されていた。
残り時間はもう10分しかない。
ぶん投げてみようか? ……いや、ここから町の外に投げれたとしても多分この爆弾の範囲が大きすぎてあまり意味がない気がする。というかそもそもこれだけ大きいと町の外までは投げられないかもしれない。せめてここからじゃなくて町の外からどこか遠くへと投げたらいけるんじゃないだろうか。
じゃあどうやってこれを町の外に運ぶ?
転がすとか……どっかで爆発するに決まってるよな。
「ハント君!」
悩んでたらペルさんが来た。
ナイスタイミング、ペルさん!
さぁ、知恵の
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