番外13話『終戦』
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俺だって無駄話をしようと思うほど馬鹿じゃないんだから。
「めぼしい場所は大体わかったから乗せてほしいんだ」
「なにっ!? 本当かハント君」
場所を特定するのは難しいことじゃなかった。
アルバーナ全体を見聞色の射程に入れれば一発でそれらしき場所が浮かんだ。。
元気があるのに全く動いていない、しかもそれはたったの二人で、さらにいうならそこは戦場のど真ん中。
明らかに不自然だ。これほど不自然な場所はほかにはなく、9割方そこで決まりだ。
ここじゃなかったら……いや、それは信じるしかない。ほかのみんなに説明しないのは、もしも違っていたら目も当てられないことになるから。みんなにはみんなで探してもらった方がいいだろう。
「とりあえず説明するから、先に乗せてほしいんだけど」
「ああ」
ペルさんの背中に乗って、一気に急上昇。
「こっちにまっすぐ!」
「わかった!」
速い。
これなら1分もかからずに目的の場所につく。
「見えた」
それらしき建物がすぐに目についた。
高さ、位置から見れば答えは一目瞭然。
広場に高くそびえたつあの時計塔のてっぺんだ。
気配はあそこの中から感じる。
「……あそこいる、かな」
「なるほど、あそこなら確かに」
塵旋風のせいでほとんど視界は効かないけど、さすがに巨大な建物ぐらいは視界に入る。
多分この塵旋風もクロコダイルの仕業なんだろう。
ルフィのことを少しだけ心配になるけど、今はそれよりも大砲を見つけて砲撃手を仕留めるのが先。正直、満足に動かない体だけど無理をすれば若葉瓦正拳の一撃ぐらいなら撃てるはず。その後とかを考えるとちょっと傷の痛さとかが怖そうだけど、ここで広場ごと吹き飛ばされるよりはずっとマシ――
――っ!?
見聞色を発動していたから、気づいた。
「だめだ! 回避!」
「……え?」
この塵旋風にまみれた景色は上空から見る限り視界がまったく効かない。けど中から外にいるこっちを視認するのはきっと簡単なことだ。だから、狙われた。狙われていることすらわかっていなかったのに、いきなり回避と言われて瞬間的に動くには俺とペルさんの関係はまだまだ浅すぎる。
結構な速度が出てたからいきなり回避行動はどっちにしても難しかったのかもしれない……ハヤブサは急に止まれない的な? いや、実際はどうなのか知らないけど。
……そんなことを考えている場合じゃない。
「くっそ!」
銃弾コースに、反射的に右腕を差し出した。2発の銃弾が衝突して炸裂して右腕に突き刺さる。
「いっ……たぇ」
「銃撃!? 大丈夫か、ハント君!?」
大丈夫なわけがない。
痛すぎて悪態をつきそうになったのを我慢して、けども
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