番外13話『終戦』
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ぞ、二人とも!」
まるでタイミングを見計らっていたかのように声が響く。
俺には俺の出来ることをやる。
それがあるかはわからないけど、きっとある。
それを信じて眼下を見つめる。
首都『アルバーナ』――
――そこで既に国王軍と反乱軍はぶつかり合っていた。
血で血を洗う、お互いがお互いの正義を信じて命を賭ける。
これは反乱というよりももはや戦争。
本来なら同じ正義をもつ彼らが、一つの組織により様々な歪みを経て、もうここまで来てしまった。
彼らは知らない。
町の中心部の広場が大規模な爆破をされることを。
クロコダイルによって描かれたこの計画は既に終盤。あとは爆破予定時刻を待つだけ。
爆破までは約15分。
続々と広場でぶつかりあう国王軍と反乱軍。それらのすべてが爆殺されてしまう。
それはもはや虐殺に近い。決して、あってはならないことだ。
だからこそ、それを止めるためにビビの姿は宮前広場にあった。
ここに至るまでに死力を尽くしてきた彼女だったが、既に彼女の命も風前の灯火。高さ十m以上はあるであろう城壁から、今にも落とされようとしていた。もちろん、クロコダイルの手によって。
今のビビを支えているのは、彼女の首をつかむクロコダイルの腕と、その腕にしがみつくビビの腕のそれだけ。体はもう城壁の外、中空にある。
クロコダイルが自然系の悪魔の実の能力者であることを考えれば、クロコダイルが腕を砂に変えてしまえばもうビビは落下死することしかできない。そんな、絶望的な状況にあってクロコダイルはこれが最後だと言わんばかりに薄ら笑みを浮かべて、言葉を突きつけた。
「教えてやろうか……お前に国は救えない」
その一言にビビの目から大粒の涙が。
そして、クロコダイルの腕が砂に。
自然落下を始めたビビの姿に、クロコダイルが大口を開けて笑い――
――気づいた。
太陽から高速で飛来する一陣の影。隼となっているペルと、それに乗る二人の男の姿に。
「ばかなっ!」
「クロコダイルーーー!」
ルフィが叫び、影の背中からクロコダイルへと真っ向に飛ぶ。
「麦わら……それに、あいつも」
ルフィとそれ以上にハントを睨み付けて呟いたクロコダイルにとってルフィの姿はほとんどおまけ。実際、ルフィが彼に触れることなど不可能なのだからクロコダイルにとってその程度でもおかしくはない。
落下するビビをペルとハントが無事に受け止めたのを見たクロコダイルが、ハントごとペルとビビを切り裂いてしまおうと腕を振り上げた。ルフィなど眼中にない様子だ。だが、今度のルフィは違う。
「砂漠の宝――」
「――ワーーーーーニーーーーーーーーー!」
ルフ
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