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絶望と人を喰らう者
第二話 三
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お前にもか?」

「だろうな、しかし、俺の場合は同族といえど何かが違う気がする。現に同族から襲われてる」

「敵と認識されているのか…… って、クソッタレ、第二波が来るぞ」

 彼らが話している間に、どうやら敵はもう一度手の中に包丁を生成させたらしく、全ての手に武器が持たされていた。

「二人とも、少し伏せて!」

「げっ」

 結月はもう一度右手から電撃を放出。
 すぐに天羅は地面に滑るように伏せて回避し、ナナシも犬の伏せのような格好を取って、頭を伏せる。
 電撃は敵のど真ん中に命中し、当たった部分が黒くなる。
 そして、敵の持っていた武器にも電気が通り、全ての武器がまるで磁石のようにくっついて玉になって転がった。
 包丁が玉になるときに敵の手を傷つけたのか、無数にある手のうち、何個か傷口から血を垂れ流していた。

「くっ…… 次の攻撃まで少しチャージしてるからそれまで敵を引きつけてて、二人共!」

「二人…… っというより、一匹と一人だがな」

 天羅は小さくぼやきながらも、すぐに立ち上がり、銃を構えながらナナシに話しかけた。

「少し作戦がある、聞いてくれ」

「なんだ?」

「あのデセスポワールは確か自分の攻撃と仲間の攻撃は効くんだろ、なら、あいつの作った包丁が固まった玉を爆発させて包丁を飛び散らせて奴に当てる」

「なるほど、ならば俺が奴を引きつけよう」

 ナナシはそう淡々と答えると、囮になるため、すぐさま敵に向かって走り出した。
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