第二話 二
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るように呟く。
ナナシは早速、刃のようになっている尻尾をブンブン振り回しながら、敵に向かって駆け出した。
「行ったわ!」
「よし! それじゃあ、俺達はさっさと戦闘に巻き込まれる前に避難するぞ」
天羅は結月にそう言うと、彼女はこくりっと頷いて彼の指示に従う。
そして、二人は互いの仲間を集めて、早々に避難を開始した。
ナナシは逃げる人間達に目もくれず、以前無かった技を使った。
前足二本から鋭いブレードが肉体から生えたのだ。
あれは、ナナシが人間の状態でも使っていた技で、どうやらデセスポワールの姿になっても使用出来るらしい。
「グアァァァ!!」
ナナシは威嚇しながら後ろ足にぐっと力を入れて、飛ぶ。
そして、前足を広げて相手に喰いつこうとした。
だが、デセスポワールはナナシの行動を読んでいたみたいで、すぐさま頭を割ると触手を出して、彼の身体に思いっきり触手をぶち当てる。
ナナシは空中に居たので回避態勢も取れずに横腹を強打し、地面に二、三回転がり、朽ちた建物の壁に衝突する。
しかし、ナナシは怯む事なくすぐさま立ち上がると、涎を垂らしながら再び走る。
敵は再度触手を振って、ナナシに攻撃するも今回彼がいる場所は地面。彼はすんなりとそれを躱し、逆に尻尾の刃で伸びた触手を切り裂いた。
「ギャアァァァァ!!」
デセスポワールは触手を切り裂かれ、青紫色の体液を噴水のように吹き出しながら、すぐさま頭を閉じる。
そして、少し身震いした後に、今まで着けていた甲殻を剥がして、皮膚のない筋肉等が剥き出しな肉体を曝け出した。
人間で言えば、胸の真ん中辺りに大きな目が一つだけ存在しており、全く持って気持ち悪いほど醜悪な外見をしている。
もちろんナナシには醜悪という言葉と不快な気持ち等無い。
ナナシは相手が甲殻を外して、姿が変わっても、怯む事無く走る。
醜悪なデセスポワールは彼の突進に自分も対抗し、思い甲殻が無くなった事により走って突っ込む。
相手が一歩一歩動く事により、地鳴りが響き、一瞬ナナシの動きが止まるも耳の代わりになっているアンテナ傘を畳んで耳栓をし、再び動いた。
ナナシとデセスポワールは互いに肉迫し、ナナシは先に跳ぶ。
そして、ナナシは空中で右前足のブレードをまるで人間が剣で払うように素早く払い、相手の胸にある目玉を斜めに切り裂いた。
「ギアァァァァァ!!」
目玉を切られ、先程よりも痛みで悶えるデセスポワール。
再度ナナシは敵に近づき、相手が両目を抑えている内に、何度も尻尾の刃で斬り、払い、突いた。
切られた所から大量にデセスポワールの血液が吹き出し、辺りの地面を自分の血液と同じ色に変えてしまう。
ナナシはもう動く体力が残され
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