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絶望と人を喰らう者
第二話 二
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羅達の方へ近づいてきた。
 流石にあの強固な甲殻に身を包んでいる敵は、自分の体重が重すぎて走る事が出来ないらしい。
 天羅はその事に気づき、彼はある事を思いついて結月の下まで走って近づく。そして、すぐに彼女へ指示をした。

「奴はどうやら走る事が出来ないみたいだから、なんとか分散しながら走って逃げつつやればいけるかもしれないぞ」

「だ、だけど、あいつは弾が効かないわよ?」

「大丈夫だ、少々不服だがナナシの奴に任せよう」

「そういえば、会議の時に言ってたわね、四足の化物…… ナナシが銃の効かない特殊なデセスポワールを仕留めたって」

 彼女はその事をすぐに思い出すと、彼の考えに賛同した。

「乗ったわ、じゃあ、彼が来るまでの間耐えてみましょう。来るかどうか分からないけどね」

「大丈夫だ、多分アリス嬢ちゃんが危険に晒されているのだから来てくれると思う。それに……」

「それに?」

「もし仮に俺達の所へ来なかった場合、俺を囮にお前はアリス嬢ちゃんをここに連れてこい。そうすれば奴は必ず来るだろう」

「貴方それ本気で言っているの!?」

 天羅のアリスを餌にするという言葉に、結月は彼の胸ぐらに掴みかかって激怒した。
 しかし、天羅も負けじと怒鳴り返す。

「俺も心苦しいが最小限に味方の被害を食い止めるにはそれしか無いだろうが! それともお前はあいつを連れたままずっと逃げるつもりか?」

「くっ!」

 結月は確かに彼の言う事が一理あると思い、悔しく思うも、、何も言わずに彼を解放した。

「俺は少しでも人類復興の役に立つ事が出来るのならば、悪になる覚悟がある。所詮、世の中弱肉強食の世界だ。真に平和を得るならば人類が発展し、力を得て、再び人間は弱肉強食の世界の頂点に立たなければならない」

 天羅は俯く彼女を放置し、そのままデセスポワールと戦っている仲間達の下へと走った。

「その貴方が言っている『人類』に、私達は入っているの…………?」

 彼女は彼が走り去った後に、一人、誰にも聞こえないようなか細い声で意味深な事を悲しく呟くのだった。

 それから数分後。

 天羅と結月が遅いデセスポワールを引きつけ、走って逃げ続けていた時に、ナナシは現れた。
 彼は人間を追いかけている巨大な自分の同族を確認すると、エリマキトカゲのような傘みたいな耳をまるで毛を逆立たせ、臨戦態勢に入る。
 天羅と結月はようやく奴と戦える唯一の相手が現れて、アリスを餌に出さなくなった事でホッとした。
 だが、天羅はそれでも彼に油断は出来ないと思っていた。なぜなら、化物の状態になっている彼が自分達を餌だと認識して襲いかかって来るかもしれないからだ。

「頼むから襲って来るなよ……」

 彼は祈
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