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絶望と人を喰らう者
第二話 一
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ントぐらいこっちになるケースが多いのだが、デセスポワールの肉体を取り込んだ瞬間、人間の身体の細胞が拒否反応を示してしまい、取り込んだデセスポワールの肉体に過剰反応する。そして、その事により自身の身体に異常と変異が起きてしまい、自分もデセスポワールになってしまうっという、失敗のケースだ」

「えぇ、それは私も知っているけど、だけど何故その説明を?」

「適合者になるには生きている事が条件の筈だ。死んだ人間の肉体で、適合者何かになれるわけが無い」

 彼はそう断定すると、呻きながら頭を抱えだした。

「じゃあ、こいつは何者なんだ? 何故、アリス嬢ちゃんに付き添っている?」

「さぁ、だけど、こちらが襲わない限り、ナナシ君は襲いかからないっぽいからこのまま見逃すのが良いと思うよ」

「見逃す? 何を言っているんだ? 勿論本部へ連れて行って、研究するに決まっている」

 彼は断定口調でそう言うと、結月は彼に、ある程度予想を入れて怪訝な表情で聞いた。

「研究? もしかして、殺して解剖するつもりなのかい?」

「あぁ…… そして、身体の隅々まで調べ上げて、今後に備えた人類貢献の礎いしずえになってもらう」

「そんな事したら、確実にアリスちゃんが泣き喚くと思うけど? しかも、そう言う胸糞悪い話は心の中でしないとほら、アリスちゃんが君の隣でずっと聞いてたよ」

 天羅は必死に一人で語っていた、アリスが隣に居ることが全く分かっていなかった。
 彼はちょくちょく、興味深い事があったり、興奮したりすると勝手に思った事を口に出す癖がある。
 その為、隣を見たときにただでさえ人形のように白い肌を真っ白にし、目を真っ赤に充血させて今にも泣き出しそうなアリスが居た時、彼は慌てた。

「ア、アリスちゃん、分かってくれ! これは人間が生きる為に必要不可欠な事なんだ!」

 彼が近付こうとすると、アリスは彼が進んだ分後退し、涙目で呟く。

「……嘘つき」

「割と私が思う限り、人間は十分逞しいし、生き残れるとは思うけどねぇ」

 結月は慌てて言い募る天羅と逃げるアリスの二人を放って、他人事のように言う。
 すると、天羅は立ち止まり、それに反論した。

「確かにここ最近、デセスポワールに対して対策が出来、とうとうシェルター暮らしから解放された。だが、それでもまだまだだ」

「私的には十分だと思うけどねぇ、だって、コンビニのおばちゃんが重機関銃を片手に『いらっしゃいませー』だよ? 逞し過ぎだよ」

 彼女はやれやれと両手を広げて大げさな動きをしつつ、苦笑した。

「あぁ、あのおばちゃんは確かに逞しい。いや、……彼女を出されても俺が困る。ともかく、人類は再びこの地球の覇者になるべきだと俺は考える。デセスポワールを
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