第一話 四
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の人にぺこりっと頭を下げてお礼を言う。
「いやいや、別にいいよ」
男の人は気さくにそう言うと、二人へ立ちながら挨拶した。
「君達の事は聖奈から大体説明してもらったよ、俺の名前は天羅賢治。よろしくな」
「わ、わたしのおなまえは。ゆめみ、ありす。です」
「夢見アリスちゃんだね? 君の事は先程調べさせてもらった。君のパパ、夢見零時も俺は知っている」
ありす…… もとい、夢見アリスは父の本名を知っている彼に驚き、すぐに興奮しながらすぐに自分の父の事を問いかけた。
「パ、パパを知っているの!? パパ、パパはどこ!?」
だが、天羅の反応は芳しくなく、苦虫を噛み潰したような顔で、アリスへすまなそうに声を低くして事実を話した。
「アリスちゃん、君のパパは……どこに居るか分からない」
「え……?」
「君のパパはね、事件にあった研究所へ居たんだ。あそこの研究所から助けを求められて、俺は助けに行った。だけど、あそこには…… 死んでいる人達しか居なかった」
「そ、そうなの? でも、あそこにはわたしも居たよ?」
アリスは正直の事を彼へ伝えると、彼は真っ青な顔をして呻く。
「嘘だろ……?」
彼はアリスの一言に驚愕し、頭を抱えた。
自分は市民を守らないといけない兵士だ。それなのに、その市民を置き去りに、自分だけが逃げ帰ってしまうなんて。
そう思い、彼は自分を心の中で攻めながら、絞るような声で謝った。
「あぁ、すまなかった。俺達が君を探しきれないで……! 今まで辛かっただろ、キツかっただろ? 本当にすまない」
「えっ…… ううん、わたしにはナナシがいたからだいじょうぶだよー」
アリスは突然謝った彼に動揺しながらも、彼を笑顔で許した。
「ね、ナナシ!」
彼女はニコっとした晴れやかな顔でナナシの名を呼ぶ。
ナナシは自分が呼ばれた事に反応して、何も感情が篭っていない無表情の顔をアリスの方向へ向けた。
その時。
ナナシが顔を向けた事によって、賢治の方も彼に気づいて、ナナシの顔を見る。
そして、彼の顔を見た瞬間、賢治の表情が凍りついた。
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