第一話 四
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話しかけた。
「お、おねえちゃん! だ、だめ! それ、どっかやって!」
ありすがいきなりナナシの背中から現れると、聖奈は驚いた顔で彼女の顔を見た。
「えっ? 女の子!? こんな小さな子を連れて良く生きてたねぇ……」
聖奈は驚いた様子ですぐに構えを解いて、銃をポケットへ突っ込む。
そして、先程の警戒していた表情とは打って変わって、ニッコリと笑った。
「ごめんごめん、怖かったね。これで良いかい、お嬢ちゃん」
「う、うん。多分」
ありすはちらりっと横に居るナナシを見た。
しかし、今のところボーッとしていおり、何かをする気配を見せない。
それを確認して、ありすはホッと一安心した。
大抵、彼が人を襲っている時は人が銃を持って、ナナシに攻撃した時だ。
ありすが見た限りでは。
「ところで少年」
聖奈は中身が化物のナナシを知らない、それゆえ、ナナシに気さくに話しかけた。
「時に君はどうやって生き延びたのかな? 見たところ武器は持っていないらしいし、それにその服…… 君は科学者なのか?」
ナナシは聖奈に興味津々に話しかけられるも、言葉が全く理解出来ないので、首を傾げる。
聖奈はその反応に疑問を抱いた。
「君、私の言葉が分からないの?」
ナナシは再び首を傾げる。
ありすはその様子をあわあわして見た。
「分からない…… っというより、知らないみたいだね。どういう事なんだろ?」
「え、えっと、ナナシはきおくそーしつなの…… それに……」
「それに?」
ありすはその先の言葉である「人でもない」っという事を言うべきか迷った。
だけど、もし言ってしまえばナナシは殺されてしまうかもしれない。だって、
人間じゃない、人を食べる化物なのだから。
そう思うと、本当の事を言えなかった。
ナナシは人じゃないけど、ありすにとっては短い時間一緒にいただけだが、彼女にとってはかけがえのない友達だ。
「そ、それに…… ナナシはことばもしらないみたい」
「えっ!? なるほどねぇ、それなら私の言葉が分からなくても仕方ないか…… じゃあ、その…… 血だらけになっている白衣は拾ってから着たのかな?」
「た、たぶん」
「きっとそうだろうね、中々似合っているよ、この時代ファッションに気を遣うなんて少年はセンスが良いね! まあ、血だらけなのはちょいといただけないけど……」
彼女はそう言って、ナナシを見ながら苦笑した。
「まあ、取り敢えず敵じゃないというのは分かったから、引き止めるのはこのぐらいにしてっと、君達はどこへ向かっているの?」
「えっと、わたしたちはパパをさがして……ます」
「そういえば君の名前を聞いていな
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