第二話 始まりの放課後
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。誰がつけたか知らないけど、結構恥ずいんだ。」
それもそうか…確かに英雄王なんてマンガに出てくる、金ピカの弓兵じゃあるまいし…
彼は近くの机に寄っかかるとおもむろに話し始めた
「英雄王とか呼ばれてるけど俺が名乗ったわけじゃないし、それにエア友達と話してたのも、友達がいないからだし…」
「はぁ?嘘つけ。キミはいつも女の子に囲まれてチヤホヤされてるじゃないか。」
ボクは思わず反論する。だってボクが欲しくて仕方が無い友達をたくさん持ってるのに友達がいないなんて、贅沢じゃないか?
「あのなぁ、あんなの鬱陶しく付きまとってくるだけだよ。」
「じゃあ、キミにとっての友達ってなにさ。」
彼にそう聞くと、少し寂しそうな顔をされた。ボクなんか悪いこと聞いたかな?
「俺にとっての友達は……絶対に裏切らない相手かな…」
…………それは同感かな。友達は裏切らない。それは、当たり前のことだ。それだけは妥協したらいけないとボクだって思う。
「だったら、そんな友達を作ればいいんじゃない?」
そう言うと、彼はさっきとは違って拗ねたような顔をした。
「そんなの、できたら苦労しない…」
……ごもっともで。
「うーん、なら部活に入るとかは?」
「いや、小鷹はいいにしても俺にいたっては、もう入学して一年。今更友達欲しさに入部した所で、部員の反感かうだけだ。」
「それもそっか……って、いまキミ、ボクの事名前で呼んだ?」
確かに彼はいま小鷹と言った。
「ん?別にいいだろ?小鷹も俺のこと夜空って呼んでいいぜ?」
ーなんて、馴れ馴れしいんだこの男…
いつものボクなら不快に思って踵を返しているところだろう。だが、何故か今は彼と話すのが楽しかった。いや、彼と、と言うのは語弊があるかもしれない。正確には他人と、家族以外で話すのが久しぶりで楽しい。それが正しいだろう。
だがしかし、ボクだって年頃の女の子だ。クラスの。しかもみんなから大人気の異性を名前で呼ぶなんて、恥ずかしいというか、こそばゆい。なので…
「じゃあ、英雄王で。」
「俺、さっきやめろって言ったばっかだよな??」
「いやぁ、始めて話す男の子を名前で呼ぶなんて恥ずかしいじゃないですか?」
「だからって、人の傷口抉って楽しいかよ…」
「ごめん。ボクドSなんだ(笑)」
やっぱり楽しいなぁ。誰かと話すのって。
「ったく、そんなだからボッチなんだろうが。」
む…今のは少し聞き捨てならないなぁ。
「ボクだって、できるもんなら友達欲しいさ。でも…」
その先は言えなかった。何故かはわからない。いや、わかっていたはずだ。きっと、先を話して言ってしまってたら彼もボクから離れていってしまう
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