戯れ混じりの会談
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」
ユウキがムッとした表情で口を開こうとしたのを手で制すと、俺はさらに続けた。
「レアが俺をどう思ってるから知らないが、これだけは言っておく。一時の感情に流されて結論を出さないでくれ。その結末はどちらにとっても不幸なことにしかなりえないからな」
「……うん、わかった」
若干不満そうだが、納得してくれたようで一安心。
「やれやれ……いい男だね、あんた。ウチの夫と代わってくれないかい?」
……していたらヘラがまた爆弾発言をしてきた。おいおい。
「へ、ヘラ!?」
やはり一番に声をあげたのは夫のグレイ。俺が呆れたような目線を向ける中、グレイはヘラに詰め寄る。
まあ、ヘラの目が笑っていたので、適当にからかって終わりだろう。
「さてと、あちらは放っておいて飯にしようか」
「え……でも……」
「どうせ適度にからかったら上手く纏めるだろうさ。それよりもせっかくの飯が冷めるのもあれだろう」
どんな料理かは知らないから冷めるのかは知らないが、そこは言葉の綾ってやつで。
「あ、うん。わかった」
そう言ってレアが持ってきたのは白いドロッとしたものが入った鍋とパン。それとキノコだ。
「はい、どうぞ。その白いのはパンにつけて食べてね」
「えっと……これは?」
ユウキが白いものを指差しながら首を傾げる。
だいたいの予想がついていた俺は、聞かない方が幸せになれたのに、と思いながらパンをちぎって白いものを塗り、口に含む。
……意外と淡泊な味だな。
「それはね。近くで取れる芋虫(ワーム)をすり潰して味を整えたものだけど?」
あ、ユウキが固まった。
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