戯れ混じりの会談
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奥に巣くうドラゴンを倒して欲しい」
「なるほど……力の証明か」
里一番の戦士がかなりの我が儘が許されていたように、力というのがこの里ではかなりのウェイトを占めるのだろう。
あの男を倒した、ということであまり必要のないように思えるが……やはりそこは里長か。
なるべく里の利益も考える必要があると。
しかも、全く影響がないというわけがないのが上手い。
そのドラゴンがどの程度の力を持つかはわからないが、今まで放置されてきたからには里一番の戦士では歯が立たないのだろう。
それを倒したとなれば、無駄な難癖はすべて封殺できる、と。
そして、ヘラは俺がここまで考えつくことまで計算に入れて話している。
「わかった。引き受けよう」
「ありがとう。お礼にレアを食っていいぞ」
シリアスな話は終わり、と言わんばかりに今までの真剣な表情は何処へやら。にやけた笑顔でサムズアップをするヘラ。
それを見てげんなりする俺。
「お、お、お母さん、なに言ってるの!?」
狙ったと言わんばかりに食事の支度を終えたレアを見て俺はため息をついた。
「いいじゃないか。かなりの優良物件だろうに。それにレアも憎からず思ってんだろう?」
「ま、まだ会ったばかりだし……」
吊橋効果だろうか?……確かに吊橋効果で恋心が芽生えることはある。だが、その恋心が持続することはほぼなく、泡沫の夢となることが非常に多いらしい。
稀にいるだろう。吊橋効果で彼女を手に入れようとするバカ(クライン)が。
「だ、ダメだよ! リンにはもうちゃんと付き合ってる彼女がいるんだから!」
突然のヘラの爆弾発言の衝撃で固まっていたユウキが再起動。そして参戦する。
「それってあなた?」
「うん、そうだよ。ボクも含めて三人もいるんだから!」
何故か胸を張るユウキ。
……いや、正直すまなかった。節操なしで。
地味に俺にダメージが入る。
「さ、三人!?」
「いいじゃないか。三人いるならもう一人くらい増えても」
「いいの……かな?」
そこはしっかりと拒絶してくれよ、ユウキ。……そろそろ介入しないと取り返しがつかなくなりそうなので、口を挟む。
薮蛇になりそうだが。
「二人で遊ぶのは程々にしておけよ」
「で、あんたはどうなんだい?」
案の定、俺の言葉は無視され、矛先がこちらに向いた。
集まる視線に再びため息をつく。
「レアも言った通りまだ会ってからそう間もない。正直言うと俺はレアのことを何とも思ってはいないんだ。ユウキの言った通り、俺には彼女が三人もいる節操なしだ。もちろん三人とも幸せにするという気概はあるが、それでも俺が褒められた人間ではないと思っている
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