戯れ混じりの会談
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」
「……性格悪いね、あんた」
「それはお互い様だろうに」
舌戦はお手の物だ。武力でもどちらでも、それなりに使えるからな。
「はぁ……とりあえず一つ目なんだけど、あんたらの旅にレアを連れていって欲しい」
「な、なんだとーッ!?」
「ひゃうっ!?」
俺が疑問を呈しようと口を開けたところで、いきなり横から叫び声が聞こえてきた。
……起きたのかグレイ。
いきなり叫ぶなよ。横にいる半分寝かけていたユウキがびっくりして変な声を上げただろうが。
「レアを連れていけってどういうことだ!?」
「五月蝿いわね」
「ぐはっ!?」
グレイがヘラに詰め寄るが、ヘラの見事な右正拳突きを倉って吹っ飛ぶ。
しかし、今度は耐えきったらしく、すぐに起き上がるとある程度の距離を保って詰問を始めた。
「あんたは黙ってな。二度手間は嫌いだし、今から説明してやるから」
ヘラはそう言ってグレイを黙らせるとこちらに向き直る。
「あんなが半殺しにした男を覚えているかい?」
「一応は、な」
ユウキを厭らしい目で見てきたやつだな。
一撃で潰したからほとんど記憶に残ってないが。
「まあ、あんたからすれば雑魚だろうが、一応この里で一番の戦士でねぇ……」
あれが最強か……。戦力がないのは予想していたが、実際に目にするとなんとも言えない。
「いわゆる英雄(?)色を好む……みたいなところがあってなぁ……。後はわかるだろう?」
つまりレアが狙われていたと。
しかも大量に居る妻の一人として強引に引っ張ろうとしていたのか。
なるほど……ユウキを狙ったのも自分のハーレムに加えるためか。……殺しておけばよかったか?
「レアは嫌がってたんだけどねぇ……なにぶん強いし、その子供にも期待が持てるからって黙認されてんのさ」
「それで俺達の道先案内役に託けて里から外に出したいと」
「……その方があの子にとっても里に残って嫌いな男の妻になるより幸せだろうからさ」
本当は離れたくないのか、若干の寂しさを滲ませながらヘラがそう言った。
グレイも納得はしたが、自分の力では解決できないことを悔やんでいるような顔をしている。
「……わかった。連れて行こう。ただし、レアが望めばの話だ」
本人の意思なしで、その人の人生を左右する選択を強制するなどありえない。
「それで構わないよ」
俺の言質が取れて安心したのかヘラはほーっと息をはいた。
「それで、二つ目の要求はなんだ?」
「ああ……一つ目の要求と関係があるんだが……」
言いにくそうに視線をあちこちにさ迷わせる。
やがて決心したようにこちらを見据えた。
「……この隠れ里の
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