【ゼロの使い魔】編
022 貴方達は悪くない。……悪いのは──
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首肯し、俺の示唆通りに“サイレント”の魔法で遮音したのを確認すると、俺はある魔法≠フルーンを紡ぐ。
SIDE END
SIDE ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
「皆、俺が今からある魔法≠使った後、ちょっと大きな声を出すから“サイレント”か何かで耳≠塞いでおいた方が賢明だ」
サイトがどんな魔法を使うかは判らないが、サイトの事だから悪い事にはならないだろうから、サイトの示唆に従い耳≠塞ぐ。ギーシュは系統上、風系統である“サイレント”は使えないのでアイコンタクトの末、私が代表して“サイレント”を張る事にした。
「………」
“サイレント”の魔法で私達の居る空間とサイトの居る空間は遮音されていて、サイトがどんな魔法のルーンを詠唱しているかは判らないが、サイトが杖を振り下ろした時に出たモヤモヤしたものがレコン・キスタの軍勢に振りかかる。
「サイトは一体何をしているんだい?」
「判らないわ。ユーノは判る?」
私はギーシュの口から出る疑問を一刀両断にし、あまり期待していないが四方山話を投げ掛ける感覚で、何かとサイトについて詳しいユーノに、現在サイトのしている事を訊ねてみる。
「それは判りかねますが、サイトからしたらあまり私達に聞かれたくない事なのでしょう」
(聞かれたくない事……)
勿論、私にも聞かれたくない事なんてごまんと有る。小さい頃に姫様とお転婆してた事なんかそうだ。
(……でも──)
「ルイズ、聞かれたくない事なんて誰にも有りますよ? ……勿論、私にもサイトにも」
「判ってるわよ」
顔に出ていたのか、ユーノに心の内を見透かされた様な事を言われる。
『………』
「あれはもしかして拡声≠フ魔法かい?」
「多分ですが……」
(でも拡声≠フ魔法って──)
子爵様の質問にふと違和感を覚える。……そして気付く。多分だけどサイトは間違えたんだと思う。そこまで気付いたらクスリ、と笑みが漏れる。
「ふふっ」
「ルイズ、いきなり笑ったりしてどうしたんだい?」
「いえ、サイトも人間だなって」
いきなり苦笑した私を不思議に思った子爵様の質問には煙を巻くような答えになってしまったが、私は完璧超人に思えていたサイトも間違えたりする事がある事が嬉しかった。
サイトが徐に杖先を喉元に当て、レコン・キスタの軍勢に某かを話し掛けている。子爵様の言う通り、あれは恐らくだが拡声≠フ魔法だと思われる──サイトは間違えて使ってるけど。……それと、当たり前の事だけど読唇術を使えるギーシュをしても、背中を向けていてる人物の唇を読めないらしい。……読めたら読めたで距離を置きたくな
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