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邪炎騎士の御仕事
邪炎の産声
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、配下の銃撃だけで終わってしまい、拍子抜けしていた。一面には邪教徒の死体と生贄にされた子供達の遺体が無残に打ち捨てられて、血の海と化していた。どう見ても、生存者は皆無。後は炎で焼き浄め、穢れを払うだけのはずであった。

 故にそれは予期せぬ出来事だった。突如、生贄の祭壇が火柱で包まれたのである。それは天を衝くが如く勢いで広がり、祭壇を包み込んだ。

 「まさか儀式は成功していたというのですか?!―――――撃ちなさい!」

 さしもの女も僅かに動揺するが、すぐに攻撃命令を下す。それに伴い、四方八方から撃ちだされる聖別された銃弾。しかし、その尽くが火柱に阻まれ、用をなさない。

 「撃ち方止め!銃撃は無意味のようですね。仕方ありません。私が直接……」

 「お待ちください」

 自ら手を下そうとした女を止める者がいた。女の護衛である二人のテンプルナイトだ。

 「ここは我らにお任せを」

 「御身の手を煩わせるようなものではございません」

 彼らは自分達が聖女と慕う『神の火』の手を邪教徒の血で汚したくなかったのだ。

 「分かりました。ここは貴方達にお任せしましょう」

 女としては、自らの力を振るいたいという気持ちもあったのだが、彼らの気持ちをないがしろにするのも気が引けたので、素直に譲ることにした。それにテンプルナイトの力量は女に劣るものの十分に信用に値する。彼らならば、何があっても対応できると判断したが故だ。

 「「はっ、ありがとうございます」」

 直立してあわせて礼を言ったテンプルナイトの二人は、ゆっくりと火柱との距離を詰めていく。それぞれの手には剣と槍が握られ、万全の警戒がなされているかに見えた。

 そんな時だ、再びの変化があったのは。

 突如として逆巻く火柱。それは一点に収束し吸い込まれるように消えていく。メシア教の者達が息をのんで見つめる中、それは姿を現した。

 紅蓮の炎を思わせる紅に彩られた漆黒の騎士甲冑。成人男性よりやや大きめの体躯をしながらも、どこスマートで鋭い印象を受ける。
 『WILD ARMS 2nd IGNITION』を知る者がいれば、その黒騎士を口をそろえてこう呼んだだろう。『ナイトブレイザー』と。
 
 それは一瞬の出来事であった。槍持ちのテンプルナイトが心臓を黒騎士に貫かれ、そのまま内部から焼かれて灰にされる。不意を完全についた黒騎士のあまりのスピードに、犠牲者となったテンプルナイトは反応できなかったのだ。

 「よくも!」

 が、剣持のテンプルナイトはそうではなかった。同僚がの死に様をまざまざと直近で見せつけられた彼は激昂して、剣で斬りかかる。得物がない黒騎士は剣を防ぐすべはない。テンプルナイトの振るう剣はれっきとした聖剣である。黒騎士
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