暁 〜小説投稿サイト〜
邪炎騎士の御仕事
邪炎の産声
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たネット小説のような展開ではないか?考えてみれば、邪神とはいえ神様と会うて、力を手に入れるあたりもそのまんまだろう。俺は下手な素人のネット小説の主人公だとでもいうのだろうか……。

 ふざけるな!

 それは火山の噴火の如き、激情の発露であった。身を焦がし、魂すら焼き尽くしても、なお消えることなき憤怒の炎。それが俺を支配していた。

 少女を護れなかった自分のふがいなさへの赫怒、この状況を作り出した狂信者共への激怒、俺をあの邪神へ会う最後の引き金をひいた糞女共への震怒、そして何よりも何かの手のひらで躍らせれているかのような今生に対する憤怒。それら全てが薪となって、莫大な炎を生み出す。

 気づけば俺は炎に包まれて、真っ裸で立っていた。だというのに、まるで熱さを感じない。この身は火傷を負う事もなく、五体には力が溢れている。

 再びの銃声が響く。恐らくメシアの連中が異常を感知したのだろう。
 しかし、今の俺に銃弾など無意味である。そんなもので俺そのものである炎を超えられるものか。
 
 思ったとおり、銃弾は炎に触れた瞬間に尽くが蒸発した。それでも銃撃はしばらく続いたが、無駄だと気づいたのだろう。銃撃がやみ、中世の騎士のような格好をした者達が歩み寄ってくる。いわゆるテンプルナイトというやつだろうか。

 いいだろう。元よりこの場から俺以外を生きて返すつもりなど欠片もない。一切合切を燃やしつくしてくれよう―――――いや、待てよ。

 このまだとマズイと思い直す。肉体が十歳児であることもそうだが、このまま力を振るうのは色んな意味で今後の活動に支障がでるのは間違いない。今のところは炎のおかげで顔を見られていないが、万が一、一人でも逃げられたらことだし、この矮躯では力を振るう負担に耐えられるかも怪しいからだ。

 正体を隠し、かつ自身の肉体を保護するしつつ戦闘能力を補うにはどうしたらいいかと考えて、あることを思いついた。それは騎士甲冑だ。目の前にテンプルナイトの連中がいたので、それは存外に早かった。しかし、連中そのままというのは気が進まなかった。

 そこで再び考えに沈んだのだが、今回はすぐに思いついた。これまた芸がないが、前世で好きだったあるゲームを参考にすることにした。生憎と絵心などないし、都合よく騎士甲冑をデザイン出来るだけのセンスもなかったのだから勘弁して欲しい。

 それに災厄とも言える焔の邪神で騎士甲冑ときたら、あまりにもまんま過ぎて、それ以外思い浮かばなかったのである。

 


 「他愛もない。所詮、主の教えに服さぬ愚か者達、当然の結末ですね」

 メシア教幹部にして、『神の火』の異名を与えられている女は、邪教徒の殲滅を命じられ、それを呆気無く果たしたところであった。女自身が力を振るうまでもなく
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