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無様な最期
第四章
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。合法な政権とは」
 それに尽きるのだった。
「つまり日韓併合は有効だったのです」
「しかしあの条約は銃を突きつけられて無理矢理」
「当時はそれが普通でした」
 ムキになる田中に対して櫻井はあくまで冷静さを保ち続けていた。
「そのようにして結ばれた条約が無効だと定められるのは第二次世界大戦後です。つまりそれを言えば事後立法になりますよ」
「しかし朝鮮の民衆を踏み躙った」
「法律は法律です」
 感情論に訴えようとするがそれも撥ね付けられた。
「それを否定すれば貴方は無法者になりますが」
「それは」
 怯んだがそれでも櫻井の攻撃は続く。
「つまり当時の韓国は日本であり韓国人は日本人だったのです」
 厳然たる事実が述べられた。
「ですから日本人を徴用しただけで強制連行とは成り立たないのです」
「本人の意志にそぐわなくてもですか」
「当時は戦争中で誰もが徴用されていましたよ」
 事実より強いものはない。まさにその通りであった。
「そうですね」
「うう・・・・・・」
「そもそもです」
 櫻井の容赦ない攻撃は田中が言えなくなっても続いた。

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