第二話〜オクリモノ〜
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しい声がまた頭に響く。
「シオン、ごめんなさい。約束、私が破ったわね。あんなに貴方に言ったのに。」
「めぐ、、、、、、。」
「本当にごめんなさい。そして、ありがとう。こんな私を見ていてくれて。」
めぐは今まで溜め込んでいたのか自分の気持ちを躊躇いもなく吐き出してきた。僕も言いたいことを言った。
「めぐ、君は今どうなっているんだい?それにあの、、、」
「水銀燈?」
「え?」
今まさに口にしようとしていた単語を言い当てられ、不思議と声が出てしまった。なぜわかったのだろう。
「ごめんなさい。ここは貴方の夢の中なの、つまり貴方の心に直接繋がっているから、どうしても貴方の考えが分かってしまうの。水銀燈に会ったのね、色々分からないことがあるでしょう。」
僕はうまく納得出来ないが、めぐの口調から本当のことなのだと無理矢理に自分を納得させ、めぐの問いかけに頷いた。
「ええ、そうでしょう。余りにもあの子の背負ってきたものは大き過ぎる。全てを言葉にするのは難しいわ。だから、私の記憶として、貴方にあの子の事を分かってもらいたい。」
背負ってきたもの?あのスイギントウという人形が何か重い経験をしてきたのだろうか。確かに何か不思議な貫禄のようなものは感じたけど。
「ただ、これだけは言っておきたいの。どうかあの子を責めないで。これから貴方が見るものがどんなものであれ、あの子を決して咎めないでほしい。」
「待ってくれ、めぐ。見るってどうゆうことだい?それに君とスイギントウの関係って?」
「全ては私の中に、、、」
めぐがその言葉を発した瞬間、僕は電撃を受けたような感じになった。頭の何かが流れ込んでくるような感覚。そこにはめぐとあの人形、スイギントウとの出会いの場面やいつもの会話、所々に桜田君も出てきた。二人の日々、スイギントウの闘いの記憶、『アリスゲーム』、彼女の姉妹達、そして、僕は一番見たくないものを見てしまった。
水銀燈ッ!
誰かの叫び、黒い大きな翼のようなものを振りかざすスイギントウ、それに突き刺されている、めぐ。
彼女達の関係は、見た記憶から知っていたが、それでも疑問とこみ上げてくる怒りは溢れ出た。なぜ?どうして?あんなに分かりあっていたのに。なぜ自分に会った時言ってくれなかった?いや、ホントは分かっている。認めたくないだけなのだ。また、僕の頬を涙が通った。再びめぐが語りかけた。
「水銀燈は、今貴方や私、そして彼女の妹への失意の念で心がいっぱいのはず。お願い、水銀燈の側にいてあげて。」
「、、、、、、。」
まだ、全てを受け入れたわけではないけど、めぐの水銀燈への思いは強く受け取った。水銀燈がどれだけ辛かったのかも分
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