第二話〜オクリモノ〜
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、と頷いた。聞かないように気を使ってくれたのだろう。だが気になる気持ちがあったのか我慢出来ずに聞いたというところか。
「正直言って、全然ダメさ。アフリカに行って鉱石を掘っても、ミスティカの元になるものはわからない。」
「そう、、、。」
柏葉は残念そうに俯いた。膝の上の雛苺も僕たちのそんな空気を感じてかいつもの笑顔が消えている。
「でも今度、ヨーロッパに行こうと思ってるんだ。」
「ヨーロッパ?」
いきなり出てきた異国の名に首を傾げる柏葉。
「ヨーロッパはローゼンの故郷らしいから彼の痕跡が何かしら残ってるかもしれないと思ってさ。」
「、、、いつ行くの?」
「連休とかがあれば。」
僕は自分の考えていることを素直に話していった。柏葉は親が帰ってくるからと少し話を聞いて、帰ってしまった。雛苺も親がいると家に隠すのも大変だといっていたので今日はウチに泊まらせていくことにした。
「バイバイ、トモエ。」
「うん、また明日。いい子にね。」
「うぃ!ジュンのお邪魔はしないのよー!」
柏葉が丁寧にお辞儀をして帰っていく。しっかりと見送った後、リビングへ戻る。これでウチにいるドールは4体になった。
「またずいぶんと賑やかになったな。」
並ぶドール達を見てそう言った。
「いつもとあんまり変わらないですよ。」
「そうかな?ま、いいや。賑やかな方が楽しいしな。さ、姉ちゃんが帰って来るまでにやることやっとこうか。」
「雛も手伝うー!」
「い、いいけど。あんまり無理するなよ?お前の性で一回、ウチの洗濯機ダメにしたんだから、、、。」
「だ、大丈夫なの!雛は同じあやまちは2度と繰り返さないのー!」
「何処で覚えたそんな言葉、、、」
今日もウチはうるさくなりそうだ。
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「ここは、、、どこだ?」
目が覚めたのは真っ白な空間。僕は立っているわけでも座っているわけでもなく、その空間にいた。浮かんでいるというのが一番近い表現かもしれない。まだ自分に何が起きたか正確に把握はしていないが、夢のような気がする。しばらくして、さっき見た光がまた現れ同じように形を作っていった。それはやはり。
「めぐ、、、、、、!」
それは柿崎めぐそのものだった。彼女になった光から声が聞こえた。聞こえたというよりは頭に直接声が届いているような感じだ。
「シオン、、、。」
紛れもない自分の名前。疑問を投げかける。
「!、、、本当にめぐかい?」
めぐはゆっくりと、だが確実に頷いた。僕の心になんとも言えない感情が湧いてくる。悲しみであり、嬉しさであり。気づけば涙を流していた。めぐの優
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