第百三十六話
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第百三十六話 ジャガイモの皮
亜美は包丁でジャガイモの皮を剥いていた、赤音も一緒だ。赤音は亜美のその包丁捌きを見て目を丸くさせてこう言った。
「上手ね」
「赤音ちゃんこそいけてるやん」
「私いつもやってるのよ」
「ジャガイモの皮剥きをかいな」
「お姉ちゃんがジャガイモ好きでね」
それで家でもよく食べるから、というのだ。
「私もよく皮剥くの」
「そやねんな」
「野菜と果物を作ることは得意よ」
「それはまtヘルシーやな」
「有り難う。それで亜美ちゃんは」
「錬金術やってるとな」
「包丁使うの?」
「錬金術ってお薬も作るけど」
ただ金を生み出すだけが目的ではない、錬金術は薬の調合や生命体を生み出すことにも及んでいるのだ。
「その中でや」
「包丁使うのね」
「そやねん、植物の葉とか根を切るから」
それでだというのだ。
「包丁もよお使うから」
「それで亜美ちゃん包丁得意なのね」
「刃物系は大抵得意やで」
包丁に限らず、だった。
「鋏もや」
「ああ、あっちもなの」
「ナイフもや。まあ刃物で人は刺さへんから安心してや」
「いや、刺したらまずいでしょ」
「あはは、そやな」
ここは笑っての話になった。
「切ってもな」
「人は駄目よ」
「お料理とか魔術に使うの以外はあかんな」
「刃物は道具よ」
「凶器やないな」
「そうよ、だから人を切ったりしないで」
赤音もこのことは真面目に言う。
「ジャガイモの皮剥こうね」
「それが一番やな」
「こうしてジャガイモから回してね」
「そうするとよお切れて安全やからな」
「指を切らない様にしてね」
言いながらだ、赤音は普段のドジさはなく包丁を的確に使いながらジャガイモの皮を剥いていく。亜美もそれは同じだった。
そうしてだ、ジャガイモを剥くことはというと。
「よし、これでね」
「全部終わりや」
「じゃあ後はね」
「切るだけやな」
その皮を剥いたジャガイモをだ、その白いものを切っていく二人だった。
第百三十六話 完
2014・5・23
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