第一話〜ココロの在処〜
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を感じた。姉ちゃんの時と同じような反応だ。僕は頭を抱えた。見たところ真面目な人だから僕が変な人形を持っていることとかを言いふらすような人ではないと思うけど。でも、どうやって説明すれば、、、。悩んでいると、これ以上はあんまり動いて欲しくないのだが水銀燈が紫苑さんの目の前にいった。紫苑さんも驚き続けている。水銀燈が話した。
「人間、貴方その指輪。どこで拾ったの。」
言葉には重みが乗っていた。紫苑さんも少し戸惑っている。
「え?」
「いいから答えなさい!」
「び、病室だよ。めぐの、、、。」
「そう、、、。じゃあ聞きなさい人間。これにはめぐの心が宿っているわ。貴方が想うめぐの心がね。」
めぐさんの心?水銀燈が発した言葉に疑問を覚えたが、今言っても意味がない。とりあえずこの場は水銀燈に任せた。
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「めぐの心、、、?」
うまく頭が整理できない。指輪が光ったり、人形が喋ったり、めぐの心が宿っているとか。現実味の無いことが多すぎる。でも黒い服をまとった人形の少女の目は真剣だった。だが何処か悲しみも感じさせる。
「これはあの子からあんたへの贈り物。あの子の心を見たいなら指輪を嵌めなさい。」
少女はそう僕に言うと、ジュン君の方へ戻っていく。
「き、君のーーー」
咄嗟に呼び止めた。せめて名前を聞きたかった。この美しい人形の名前を。
「な、名前は?」
「、、、、水銀燈よ。」
そう言うと彼女はバスケットの中に入っていった。ジュン君が、このことは誰にも言わないでください。と言って足早に去ってしまった。僕はしばらくこの不思議な出来事を噛み締めていた。あっという間すぎて本当にあったかもわからない。それほど不思議な出会いだった。
「スイギントウ、、、か。」
僕は指輪を手で大事に握りしめながら家に帰った。
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紫苑さんと別れて墓地から家に帰る途中に僕は水銀燈に聞いた。
「なあ、なんで指輪を渡したんだ?お前への贈り物だったかもしれないのに。」
「見たのよ、中身を。元々私の物だし。でも、、、。」
水銀燈の声色が沈む。
「あれは私宛ではないわね。それにもう一つわかったことがあるわ。」
「?」
「もう私はあの人間に会えないってことよ。」
僕はこの時、まだその理由がわからなかった。
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僕はあれから家に帰った。一人暮らしの僕には大きい家だ。曽祖父だかが僕たち子孫のためにこの土地を残してくれたらしい。両親は僕がとても幼い頃に事故で死んでしまった。母の友人の美咲さんの所で働いて生活
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