第一話〜ココロの在処〜
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いにいった。でもいつしか、彼女が父親の愛情を欲しているのに気づいた。あの沈黙はもしかしたら意思表示だったのかも知れない。僕はめぐに届いているだろうと思って、祈った。
(めぐ。僕は自分の心に穴が空いたのを感じてる。こんなに簡単に行ってしまうなんて信じられないんだ。せめて、一緒に連れて行って欲しかった。でも、もう少しで、、、)
こみ上げた気持ちを抑えてジュン君に提案した。
「ちょっと、あそこのベンチで話そうか?」
ジュン君は快く受け入れてくれた。移動して腰を下ろす。ふと気になってジュン君に聞いて見た。
「そのバスケット大きいね、中身はなんだい?」
「え?いや、これは、その〜。」
「?」
口を濁すジュン君。何か変な物でも入っているのだろうか。すごく困った反応を見せている。
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どうしようか。人がいるとは思ってなかったから。水銀燈を普通に外に出せると思っていたのに。思えばお墓なんだか、人は誰かしらいるじゃないか。墓参りに人形なんて変だよな。まあ、彼女には我慢してもらうしかないかな。後が怖いけど、、、。
「こ、これは、ウチの姉ちゃんが何を勘違いしたか人形を持っていけとか言うんで、、、。な、中には人形が入っているんですよ。はい。」
く、苦しいかな?紫苑さんの反応を見る。
「へぇー人形か。見せてもらってもいい?」
何とか怪しまれずには済んだのかな?でも見せるのかやっぱり。仕方ない。ごめん水銀燈!
僕はバスケットに入っている水銀燈をそっと持ち上げた。彼女は眉間にシワを寄せている。小声で僕は謝った。
(本当にごめん。ちょっとだけ我慢してくれ。)
水銀燈も仕方ないと思ったのか、顔の力を抜いて精巧で美しい少女人形になった。僕は水銀燈を紫苑さんに渡す。
その時、、、。
紅い光が僕たちを包んだ。
「「うわっ??」」
「これは??」
僕も紫苑さんも驚きの声を上げる。水銀燈が声を出してしまった。よほどの事だと思い。光の方を注視すると、どうやら光は紫苑さんから出ているようだ。
「まさか、あの指輪が?」
紫苑さんが言った。指輪?疑問が生まれた時、光が僕たちの頭上へと上がった。そして光を弱めながらゆっくりと降りてくる。水銀燈がそれを手で受け止める。
「これは、私の、、、。やっぱりさっきの感覚は。それにこれには、、、。」
「なんで指輪が?君の指輪はもう、、、。」
「その通りよ。だけど今は、それよりめんどくさいことが起きてるわ。」
水銀燈がチラッと後ろを見た、その方向を僕はゆっくりと振り返る。瞬間僕は感じた。やってしまったと。
「ジ、ジ、ジュン君。そ、その人形は、何だい?」
デジャヴ
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