第一話〜ココロの在処〜
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ですか??」
「はい、ウチの目玉商品ですから。本数はいくつで?」
「すいません、一本だけ、、、。」
「分かりました。」
僕は花を受け取り店を出た。
ここから墓地まではそう遠くないかな。
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目的地に着いた僕は、花を添えた。
彼女の墓だ。病院に通っていた時の
ように毎日来ている。
(めぐ、僕はまだ、、、。)
墓石を清めるための水を桶に入れながら、自分の未練たらしさに嫌気を感じていた。担当の看護婦さんは彼女が見舞いの客に対して機嫌を損ねないことに驚いていた。彼女が自身の親類縁者、特に父を毛嫌いしていたことは知っていたが暴れる程だとは思わなかった。自分に対してはそんなことは一度たりとも無かったのに。
そこで桶から水が大量に漏れている事に気付いた僕ははっとして蛇口を閉めた。
最近、呆けていることが多いな。いや、昔からか?しっかりしないと。
僕は彼女の墓へ戻った。すると墓の目の前に、さっきすれ違った眼鏡の少年が立っていた。めぐの知り合いは大体知っているが彼は見たことがない。誰なのだろう?その疑問が声に出た。
「君は、、、誰だ?」
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突然の声に水銀燈がバスケットから出ようとするのをやめた。ばれてはいないようだ。声の方へ向くと、先程すれ違った人が立っていた。再度問いかけられる。
「めぐの友達かい?」
何故か彼の声は威圧的な感じがした。僕より先に黒薔薇が置いてあったが彼が置いたのだろうか?それよりもなんて答えればいいのだろう。
めぐさんと僕は知り合い以下のほとんど他人だ。そんな僕が墓参りに来ることは少し筋違いではある。戸惑っていると、彼の方から話し始めた。
「まあ、いいよ。ありがとう。彼女も来てくれるのは嬉しいだろうしね。僕は樢玖島 紫苑(とくしま しおん)。彼女の、、、、友達だ。君は?」
「僕は、桜田 ジュン。」
「ジュン君か。ん?その薔薇は?」
「え?」
自分の持っている黒薔薇を見て紫苑さんは尋ねた。
「僕の店で買ってくれたんだね。」
ああ、名前を聞いた時の引っかかったのはそれか。確かにあの花屋、名前はシオンだったな。
「紫苑さんが経営してるんですか?あのお店。」
ふとした疑問を出してみた。紫苑さんは墓石に水を丁寧にかけながら答えた。なんとなく花に水をやる翠星石が思い浮かんだ。
「あそこは僕のお母さんの友達が経営しててね、働かせてもらってるんだ。」
水をかけ終わると紫苑さんは墓に向かい目を閉じた。
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彼がなぜここにいるのかはわからないが、追求するのはやめた。
だからこそ毎日会
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