第一話〜ココロの在処〜
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たという反応を見せる蒼星石、
確かに水銀燈と出掛けるのは初めてだからな。でもまだ水銀燈には出掛けることを伝えていない。
「うん、行かなきゃいけない場所がある。水銀燈と行かなきゃダメなんだ。」
「わかりました。気をつけて。」
「ありがとう蒼星石。」
食器を片付け終わり暇そうに縁側でぼんやりしている水銀燈のもとへ、
「水銀燈、ちょっといいか?」
「、、、、、。」
反応はない。まぁ、無視している訳ではないことは知っているのでそのまま話す。
「今日さ、この後一緒に行って欲しいところがあるんだ。」
その一言で、彼女はとても苦い顔をしながらこちらを振り向いた。
「はぁ?まさかまたアフリカとかいう国じゃないでしょうね?嫌よ、暑すぎるし、虫は沢山いるし汚いったら。」
た、確かにアフリカは頻繁に行きたくはないところだけど、、、。でも今回はそれじゃない。
「いや、違うよ。」
「じゃあどこよ。」
めんどくさそうに言う水銀燈、とはいっても行かないと言わない辺り彼女も少しは僕に気を許してくれたのだろうか。おっと、質問は違ったな。僕は水銀燈に伝わるようにはっきりと言った。
「めぐさんのお墓だよ。」
彼女が目の色が少し変わるのを感じた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
土曜日のお昼頃、この商店街はほどほどに人が入るのだが、その通りのちょうど真ん中あたりに僕の働く花屋シオンはある。いつものように花達に水をやり、花の様子を見て場所を移したりする。この商店街は屋根が無いので直射日光を計算して花達の位置を考えるのだ。一通りチェックを済ませると店の奥から声がした。
「シオくーん!そろそろ上がっていいわよー!」
「わかりました、あとお願いします。」
僕は店の奥へ向かう。奥からこの花屋の店長、美咲さんが出てきた。
「今日もお疲れ様、休日なのに大丈夫だった?」
「いえ、僕もあんまりやることないので、、、。それと美咲さん、黒薔薇持って行っていいですか?」
この花屋での一番の目玉は薔薇だ。珍しい色の薔薇が沢山ある。
「黒薔薇?ああ、今日はこれから行くのね。」
「はい、黒薔薇が好きみたいだったから彼女は。」
「いいよいいよ、ちゃんと届けてやんな。」
「ありがとうございます。」
僕は急いで昼食を済ませ、服を着替えた。そして、一ヶ月前に拾った指輪をポケットから出してしばらく見つめていた。
結局、指輪は持ち帰ったのだ。彼女のものかは分からないのだが。
指輪を再びポケットにしまい、黒薔薇を紙で包んで持って僕は店を出た。ここから目的地まではあまり距離は無い、徒歩で行ける。ここ最近毎日通ってるし慣れた道だ。ふと目の前を大きなバスケットを持った眼鏡
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ