十六話 心(マインド)
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ー広翔は見事にスルー。
何事も無かったようにバスルームに入る。
別に姉の裸を見たって欲情することはない…
ー広翔には「感情」という神経が消えているから。
欲というものも。
広翔には「眠い」という睡眠欲、「金持ちになりたい」という金銭欲、「食べたい」という食欲、激しい性欲も、なにもない。
中学生の時に消えた、いや消し去ったのだ。
悲しいという感情も、怒るという行動も、泣くという迷いも、楽しいという思考も。何もかも。
こうゆう自分に悲しめる自分もいなくなった。
ただ生きるロボットのように。
能力ロボット。
◇◆◇
春の鳥がピヨピヨと朝焼けと共に鳴き始めた。
青い空、白い雲、紅い朝日、
春のあけぼの。
広翔はいつものように朝日が出ると共に広翔も家を出る。
少し寒く感じられていて、広翔はジャージを着ていた。
朝のまえの軽いトレーニングだった。
靴ヒモを結びながら無心にいつも通りに軽く走ろうと思っていたところだった。
ーガチャ。
勝手にドアが空いた音がした。
「おはよ。 ひろ。」
姉の加奈が珍しく早朝に起きていた。
昨日も朝早くから起きていたが、普段はこういう習慣はない姉。
昔から朝には弱い女だった。
「・・・おはよ。」
広翔はすこし意外性に驚いたように応答した。
ーなにか変なものでも食べたのではないか?ーとか思いながら。
珍しい。
いつも起こすのは俺で、なかなか起きない姉。
そんな関係で過ごしていた。
・・・・・
姉とのランニングが終わり、家に戻ってきた。
「さあ、家に入ろう。」
と当たり前の提案をする広翔に対して姉は、
ーハァハァ…
と膝に手を着きながら十分な息切れをしていた。
「・・・やっぱ速いなぁひろは、ついていけないよ。」
とにっこり笑いながらも呆れたような、飽きれているような口調をしながら言った。
「朝ごはん作るから早く家に入ろう。」
広翔は加奈に応答するようににっこり笑いながらそう言った。
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